e天皇退位は一代限りで
- 2017.02.21
- 情勢/社会
公明新聞:2017年2月21日(火)付
公明、特例法制定が適切
衆参議長に各党の見解表明
衆参両院の正副議長は20日、衆院議長公邸で、天皇陛下の退位に関して8党2会派から見解を聴取した。公明党から井上義久幹事長、北側一雄副代表、西田実仁参院幹事長が出席。党内議論を踏まえた結論として、今の天皇陛下一代限りの退位を認める特例法の制定が適切とする見解を表明した。=「公明党の見解」
この中で井上幹事長らは、天皇や皇室の安定的な維持のためには、「天皇の終身在位制の基本は維持されるべきだ」と述べる一方、高齢化社会の進展を踏まえ、(1)退位による権威の二分化(2)退位の強制(3)恣意的な退位――の弊害が生じるおそれのない退位は、「国民合意の上で許容されるもの」との見解を示した。
その上で、今の天皇については、昨年8月の「お言葉」を受け、多くの国民が「退位をやむを得ない」と受け止めていることから、「退位は認められるべきだ」と述べた。
一代限りの退位を認めるため、特例法の制定が適切とした理由については、その時代ごとの国民の意識、社会状況などを踏まえ、国会で法案を慎重に審議できる利点を説明。ただし、「重要な先例となるため、将来のことも視野に入れた法整備にしなければならない」と述べ、退位を認める事情などを法文上に明記する必要性を指摘した。
また、将来の全ての天皇を退位の対象とすることには、「将来にわたる退位の要件を一般的に規定することは極めて困難」との考えを表明。天皇の意思にかかわらず、天皇の年齢などによって退位を決めるのは、退位の強制の弊害が生じる懸念があるとの認識を示した。
なお、女性宮家の創設など、安定した天皇、皇室制度のあり方については、今後の検討課題とした。
正副議長、週内にも協議
天皇陛下の退位に関して、衆参両院の正副議長が20日に行った8党2会派からの見解聴取では、公明のほか、自民、維新、日本のこころの3党が今の天皇陛下一代に限った「特例法」の制定を主張した。これに対し、民進、共産、自由、社民の4党などは皇室典範改正による恒久制度化を求めた。
衆院の大島理森議長は、聴取後の記者会見で「各党の主張を分析しながら、立法府の総意を探し求める」と語った。
正副議長は、3月中旬までの取りまとめに向け、週内をめどに今後の議論の進め方を協議する。