eコラム「北斗七星」
- 2017.02.24
- 情勢/社会
公明新聞:2017年2月24日(金)付
日記は決算、日々の予定は予算のようなもの。評論家の外山滋比古氏は「人間は予算の方が決算より大事」と考え、五十代半ばから新しい習慣に挑戦した(「長生き」に負けない生き方 講談社)。毎朝、その日取り組む課題を書き出し、優先順位をつける。少ない日でも十数項目に及んだ◆処理した内容は「○」、やり残したら「×」の印で仕分けする。難題が解決できたら「◎」をつけた◆日本中が高度経済成長に沸いた当時、大都市の住宅問題は今以上に深刻だった。東京都では多摩地域の用地を買収して、都営住宅を建設する予算案を議会に提出した。しかし、大規模な宅地造成が必要なため、入居は何年も待たねばならない。そこで、都議会公明党は、既存市街地の用地を購入すれば、住宅完成までの工期を大幅に短縮できると提案、最終的に予算案は修正される。入居時期は予定より前倒しされた◆政府や自治体が編成する毎年度の予算案は、ともすれば、どの分野にどの程度の費用が計上されたかが焦点になる。それも重要だが、振り分けられた予算を、どう使えば国民や住民の生活に最も役立つかという視点や工夫が欠ければ、納税者の理解は得られまい◆国会も地方議会も予算審議たけなわ。公明党の議員が「○」や「◎」をどれほど量産するか。楽しみだ。(明)