e地域発の提案 活発に

  • 2017.02.24
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年2月24日(金)付



衆院予算委分科会



衆院予算委員会は23日、前日に引き続き、2017年度予算案に関して各省庁別に分科会を開催し、公明党の各議員が地域発の課題をはじめ、活発な論戦を行った。


東京バリアフリー進めよ


高木さん ホームドア普及など訴え

第8分科会で高木美智代さんは、2020年東京五輪・パラリンピックの競技会場の一つとなる「味の素スタジアム」(調布市)の最寄り駅・京王電鉄京王線飛田給駅のバリアフリー推進を取り上げ、踏切歩道を拡幅したり、エレベーターを車いすが乗降できる大きさに改修する国の財政的支援を求めた。

これに対し、国土交通省の石川雄一道路局長は、「東京都や調布市と連携し、障がい者の皆さまの声も聴きながら、バリアフリー化を積極的に支援していく」と答えた。

さらに高木さんは、都内のホームドア普及について、設置の目安となる乗降客数1日当たり10万人以上の駅でも未整備になっている中野(中野区)、荻窪(杉並区)、新宿(新宿区)、王子(北区)、錦糸町(墨田区)の各駅などへの早期導入を訴えた。


水素供給、具体化急げ


真山氏「福島新エネ構想」促す

第7分科会で真山祐一氏は、福島県内を水素エネルギーの一大拠点にする「福島新エネ社会構想」の中で、燃料電池自動車1万台分に相当する水素燃料を生産して2020年の東京五輪・パラリンピックで活用する計画に触れ、「福島復興の大きな柱であり、早急に具体化を」と強調した。

世耕弘成経済産業相は「活用計画を一過性のイベントで終わらせず、福島を拠点にした水素サイクルが出来上がるよう取り組む」と答えた。

また真山氏は、東京電力福島第1原発事故で周辺自治体に出されていた避難指示の解除(帰還困難区域を除く)が今春に相次ぐ状況を踏まえ、「地元の復興のために再開を決断した事業者を支えるべき」と述べ、さらにきめ細かな支援を求めた。


聴覚検査の促進訴え

【国重徹氏】

第5分科会(22日)で、国重氏は難聴の早期発見と適切な対応に向けた新生児の聴覚検査について、都道府県単位で各市町村に実施を促していく推進体制の整備事業が2017年度政府予算案に計上されたものの、「国の取り組みは、まだ踏み込みが浅い」と指摘し、今後さらに自治体の事業を後押ししていくよう求めた。

塩崎恭久厚生労働相は、より詳細な実態調査や自治体への難聴に関する専門知識の啓発に努めると応じた。国重氏は、成人の難聴にも言及。聴力検査を定期的に受けている人が全体の約3割にとどまる調査結果も踏まえ、難聴の早期発見・治療に向けた取り組みの促進や正しい知識の普及を訴えた。


国の責任で鳥インフルの風評防止へ


【吉田宣弘氏】

第6分科会で吉田氏は、昨年から日本で確認された鳥インフルエンザについて、迅速な防疫措置で感染拡大を防いだ政府の初動対応を評価。その上で、風評被害による生産者の損害は計り知れないと指摘し、「国の責任で風評を防ぐべき」と訴えた。

山本有二農林水産相は、「鶏肉や鶏卵を食べて人に感染する可能性はない」と強調し、消費者や業界団体に対して正しい知識の普及に努め、風評被害対策に万全を期す考えを示した。


農産品の輸出増へ GAP取得を推進

【輿水恵一氏】

第6分科会(22日)で輿水氏は、農産品の輸出拡大をめざし、食品安全に関する国際認証「グローバルGAP(農業生産工程管理)」の普及に向けた取り組みを質問した。

輿水氏は、2020年東京五輪・パラリンピックの調達食材に国際水準の安全規格が求められることを踏まえ、「五輪を契機として各農家がGAP取得に取り組めるよう支援すべき」と強調。

また、生産者がGAP取得によって、輸出だけでなく国内販売で優位性を実感できるように、流通・小売業に働き掛けていく必要性を訴えた。

農林水産省側は、農業競争力の強化へGAP取得を推進するとともに、認証された農産物が高く評価されるよう周知を図るとした。


南海トラフ地震対策で堤防強化急げ

【大口善徳氏】

第8分科会で大口氏は、10メートル超級の津波襲来が想定されている南海トラフ巨大地震に備えるため、「十分な予算を確保し、短期集中で堤防を強化せよ」と訴えた。

これに対して、国土交通省の山田邦博水管理・国土保全局長は、地域の要望を踏まえながら、「河川や海岸の堤防のかさ上げや耐震化、液状化対策の取り組みに向け、財政支援を重点的に行っていく」と答弁した。


ドクタージェット支援を拡充

【佐藤英道氏】

第1分科会で佐藤氏は、へき地の医療に関して質問。高度医療が必要な患者を医師が同乗して搬送する医療用小型ジェット機「メディカルウイング(ドクタージェット)」について、2017年度予算案に支援事業が新たに盛り込まれたことを「広大な北海道では非常にニーズの高い重要な取り組み」と評価し、さらなる事業拡充を求めた。

厚生労働省は「へき地における安全・安心の医療確保は重要な課題」との見解を示した上で、「事業をしっかり運用していく」と答えた。

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