eコラム「北斗七星」
- 2017.02.27
- 情勢/社会
公明新聞:2017年2月25日(土)付
75歳以上のドライバーによる2015年の死亡事故率は75歳未満の2倍超―。相次ぐ高齢ドライバーの重大事故を受け、警察庁が先月公表した初の調査分析で明らかになった実態だ。05年末に236万人だった75歳以上の免許保有者は、15年は477万人に倍増。さらに25年ごろには「団塊の世代」による大幅増が予想され、一層の対策が迫られている◆こうした中、75歳以上の高齢ドライバーの認知機能検査を強化し、免許更新を厳格化する改正道路交通法が来月12日からスタートする。これに異論はないだろう◆各地の警察や自治体が協力して免許証の自主返納を促し、返納者には「運転経歴証明書」を交付してバスやタクシーの運賃割引を実施するといった取り組みも進められている。これも一策だ。だが、「生活の足」がなくなることから、体の衰えを感じながらも返納に踏み切れない人もいる◆そのためにも、例えば大病院、役場、量販店などを結ぶコミュニティーバスや乗り合いタクシーによる地域公共交通網の整備を急ぎたい。自動ブレーキなどを搭載した安全運転サポート車の普及と、そうした車への買い替えを促進する支援策も必要だ◆超高齢社会を突き進む日本だからこそ、公明党は高齢者の生活の質を落とさない「安全・安心」を全力で推進したい。(翼)