e共産が前のめり 「野党共闘」の危険な真実

  • 2017.03.06
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年3月4日(土)付



日本共産党は7月の党創立95周年に向けて、1月中旬に行われた党大会での決定(決議など)を同党党員に読了させる取り組みを、夏の東京都議選勝利への取り組みと並ぶ「二つの大きな仕事」と位置付けて、「大志とロマンを持ち、歴史をつくる一大運動をやりとげよう」(2月7日の全国都道府県委員長会議で小池晃書記局長)と呼び掛けている。

共産党員にとって、党大会決定を読むことが、なぜ「歴史をつくる」ことになるのか。党大会決定には、共産党が現在躍起になっている民進党などとの「野党共闘」、そしてその先の「野党連合政権」の実現が、共産党の「大志とロマン」ともいうべき共産主義革命への道筋であると意義付けがなされているからだ。

大会決議では、野党共闘を「決断できた根本」には「思想・信条の違いをこえた統一戦線によって社会変革をすすめるという、党綱領の生命力がある」と明記。要するに、社会主義・共産主義革命への第一歩としている「統一戦線の政府・民主連合政府」(党綱領)に向けたステップとして、野党共闘を位置付けているのである。

その共産党から盛んにラブコールされている民進党だが、野党共闘にどう臨もうとするのか、今月12日開催の同党大会での論議が注視されているところだ。

ただ、共産党との共闘に対しては、民進党の最大の支持団体である連合の神津里季生会長が「民進党と共産党は目指す国家像が明らかに違います。ですから共産党が求めている野党間の『政策協定』など結ぶようなことはあってはならないと思いますし、候補者の相互推薦もありえないはず」(「文藝春秋」1月号)と強くクギを刺している。

また、政治学者の中北浩爾一橋大学教授は「民進党は政策距離が大きい共産党と共闘することで、かえって政権から遠ざかる危険すら招きかねない」(1月26日付「朝日」)と指摘する。

当の民進党は、旧民主党政権の失敗を受け、低迷が続く支持率の回復へ党名を新たにして出発したが、"思惑外れ"の状態は続いたままである。そうした中、蓮舫代表の足元の東京都議会では、ついに民進党系2会派が合流するに当たり「民進」の看板をわざわざ外した。

党内には、共産党との連携で窮状の打開を図ろうという意向もあるとか。さてどう決断するのか、民進党の見識が問われている。(丈)

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