e復興加速へ調査活動
- 2017.03.06
- 情勢/社会
公明新聞:2017年3月5日(日)付
震災の経験を後世に
宮城で山口代表、井上幹事長ら
4日、公明党の山口那津男代表は宮城県石巻、東松島両市、井上義久幹事長は同名取市、山元町をそれぞれ視察。党所属の国会議員、地元議員らが同行した。
山口代表らは、東日本大震災の津波で児童・教職員84人が犠牲になった石巻市立大川小学校を訪問。慰霊碑に献花し、黙とう。その後、児童遺族の有志でつくる「小さな命の意味を考える会」の佐藤和隆さん、鈴木典行さんの案内で、被災校舎を見て回った。
佐藤さんは、校舎2階の天井まで迫り、鉄筋を破壊していった津波の衝撃を説明し、「津波や洪水はある程度、予測できる。二度と学校で子どもの命を落とすような悲劇があってはならない」と訴えた。山口代表は「教訓を学び取り、後世に生かすことが大切だ」と応じ、震災遺構として残す校舎を通じ、この経験を広く知ってもらう重要性を強調した。
その後、一行は東松島市に移動し、津波で校舎が全壊した野蒜小、宮戸小を統合し、今年1月、新校舎で始業式を迎えた宮野森小学校を視察。地域で多様な高齢者サービスを行うNPO法人「のんび~りすみちゃんの家」を訪問し、伊藤壽美子理事長と意見交換した。
一方、井上幹事長らは、津波で壊滅的な被害を受けた山元町のいちご農家が設立した山元いちご農園株式会社を訪れた。
岩佐隆代表取締役は、いちご狩りやカフェ、「いちごワイン」を醸造・販売する6次化を展開してきた経緯を説明。「4人で始めた会社に43人が働いている。今後も若者の雇用に努める」と語った。同行した齋藤俊夫町長は「農の力で復興をけん引したい」と話した。
また井上幹事長らは、名取市閖上で震災後に造成された水産加工団地を視察。福島県相馬市で被災した、いちまる水産有限会社の今野泰一代表取締役社長は「原料不足で本格操業ができない。福島沖の水産物の水揚げ拡大へ力を」と要望した。同席した山田司郎名取市長は「復興へ向かう姿を見てもらい、心強い」と視察団に謝意を述べた。
井上幹事長は、「現場の声を受け止め、復興を前に進めたい」と決意を述べた。