e高齢ドライバー 認知機能チェックを厳格化

  • 2017.03.07
  • 生活/生活情報
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公明新聞:2017年3月7日(火)付



改正道交法 12日スタート
一定の違反行為で臨時の検査



後を断たない高齢ドライバーによる交通事故を未然に防ぐため、75歳以上の高齢ドライバーの認知機能チェックを厳格化する改正道路交通法が今月12日からスタートします。そのポイントを紹介します。


「認知症のおそれ」は必ず医師の診断受ける

現行の道交法では、75歳以上の運転者は3年に1回の免許更新時に、認知機能検査を受けることになっています。検査の結果は「認知症のおそれ(第1分類)」「認知機能の低下のおそれ(第2分類)」「認知機能の低下のおそれなし(第3分類)」の3段階に分けられており、その段階に応じた高齢者講習を受講します。

今回の改正道交法の第一のポイントは、75歳以上の運転者が信号無視や通行禁止違反など認知機能が低下したときに起こしやすい一定の違反行為〈別掲〉をした場合、運転免許の更新を待たずに、新設される「臨時認知機能検査」を受けなければならない点です。

臨時認知機能検査は、更新時の認知機能検査と同様に「現在の年月日、曜日、時間を書く」「時計の絵を描き、指示された時間を描く」などの検査を通して、認知機能のチェックを行います。

第二のポイントは、こうした臨時認知機能検査や更新時に行われる認知機能検査で第1分類と判定された場合、後日、臨時適性検査(医師の診断)を受ける、または主治医などの診断を受け、診断書を提出することになります。その上で、医師が認知症と診断した場合、運転免許の取り消しなどの対象になります。

現行の道交法では違反経験がなければ、更新時の認知機能検査で第1分類と判断されても医師の診断を受ける必要はありませんでしたが、改正道交法では必ず診断を受けなければなりません。

また、臨時認知機能検査を受けた人で、その結果が前回の免許更新時の認知機能検査結果より悪化していた場合(第3分類から第1・第2分類、あるいは第2分類から第1分類に悪化したと判定された場合)は、新設される「臨時高齢者講習」を受ける必要があります。

同講習(受講料5650円)は、実車指導(1時間)、個別指導(1時間)の計2時間で構成され、実車指導の際にドライブレコーダーで運転の様子を記録し、その映像を基に個別指導が行われます。

なお、今回の改正では、更新時の認知機能検査で第1分類、第2分類と判定された人が受ける「高齢者講習(受講料7550円)」についても、実車指導・個別指導などの内容が高度化(充実)されます。


一定の違反行為
(1)信号無視(2)通行禁止違反(3)通行区分違反(4)横断等禁止違反(5)進路変更禁止違反(6)しゃ断踏切立ち入り等(7)交差点右左折方法違反(8)指定通行区分違反(9)環状交差点左折等方法違反(10)優先道路通行車妨害等(11)交差点優先車妨害(12)環状交差点通行車妨害等(13)横断歩道等における横断歩行者等妨害等(14)横断歩道のない交差点における横断歩行者妨害等(15)徐行場所違反(16)指定場所一時不停止等(17)合図不履行(18)安全運転義務違反

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