e委員会質疑から

  • 2017.03.10
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年3月10日(金)付



Wi―Fi環境整備せよ


山本、宮崎氏 官民連携へ支援拡充

9日の参院総務委員会で、公明党の山本博司、宮崎勝両氏が質問し、公衆無線LAN(Wi―Fi)環境の整備促進などを訴えた。

この中で山本氏は、2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、「訪日外国人(インバウンド)などが手軽に情報を入手できるよう、観光拠点などで公衆無線LAN環境の充実を」と強調。無線LAN整備は官民連携が有効に機能するモデルであり、「公共交通機関などの民間施設に対する整備支援事業を拡充することが重要だ」と訴えた。

観光庁の瓦林康人審議官は「整備が進むよう、官民連携の下でしっかり取り組む」と答えた。

一方、宮崎氏は、埼玉県三芳町にあるオフィス用品通販大手「アスクル」の倉庫火災を受け、消防庁が専門家による検討会を設置した目的や今後の対応を確認。高市早苗総務相は、初期火災の拡大防止を図る方策などを検討し、「6月中に方針を取りまとめ必要な対策を講じる」と答弁した。


若者の自殺対策急務


谷合氏「大綱の柱に」と厚労相

9日の参院厚生労働委員会で公明党の谷合正明氏は、近年、国内全体での自殺者は減る一方で、15歳から39歳までは自殺が死因のトップであることなどを踏まえ、若者の自殺対策が急務だと主張。「今年の夏に見直される自殺総合対策大綱に、新たに若者の項目を加えて対策を強化してもらいたい」と迫った。

塩崎恭久厚労相は、大綱の見直しに関して「若者の自殺を重要な柱に位置付けて対応していくという方向で有識者会議で議論している。しっかりと取り組む」と応じた。

谷合氏は、国際社会に環境問題や貧困対策などへの取り組みを求める国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成へ、厚労省に具体策を進めるよう訴えた。


米国投資の好機生かせ


石川氏 経済対話の枠組み早く

9日の参院経済産業委員会で公明党の石川博崇氏は、4月から予定されている日米経済対話に言及し、不透明感が増す国際経済に将来の予見可能性を与えていくためにも「スピード感を持って対話の枠組みを具体化していくことが求められている」と訴えた。

この中で石川氏は、トランプ大統領が米国内での1兆ドル規模のインフラ投資を掲げていることを踏まえ、質の高いインフラ技術を持つ日本にとっては「大きなチャンスと捉えられる」と強調。日本企業の参加を後押しする施策の充実を求めた。

世耕弘成経産相は、日本企業が参加することで日米双方に経済効果がもたらされるとの考えを示し、「資金面など、どういった支援ができるか検討していく」と語った。


小規模企業共済、基準の周知図れ


伊藤さん

9日の参院経済産業委員会で公明党の伊藤孝江さんは、個人事業主が廃業や退職などに備えて掛け金を積み立てる「小規模企業共済制度」に関して質問した。

伊藤さんは、加入者が共済金を請求する理由によって受け取り額が大きく変わる仕組みに言及。受け取り額を決める際に誤った判断がされるケースも起こるなど「正確な判断基準の周知が足りていない」と指摘し、制度運営を委託している商工会議所などに基準を徹底するよう訴えた。

経産省は「必ずしも十分ではなかった」と述べ、周知徹底する考えを示した。


日本が国際協調の柱に


参院予算委が公聴会 浜田、平木氏の質問に公述人

参院予算委員会は9日、2017年度予算案に関する公聴会を開き、公明党から浜田昌良、平木大作の両氏が質問した。

日本の外交姿勢に関して浜田氏は、トランプ米政権が「法の支配」などの普遍的価値を拡大する「価値の外交」の側面が弱いと指摘されていることを踏まえ、日本が国際社会の中で果たすべき役割を聞いた。

立命館大学客員教授の宮家邦彦公述人は、米政権が従来の国際社会のシステムとは異なる方針を持っているとの認識を示し、「日本は自由貿易や国際協調という点で生き延びるために、G7(先進7カ国)の中で必要なリーダーシップを取っていくべきだ」と強調。その上で、米国や英国で首脳が代わり、フランス大統領選も控えていることから「安倍首相は(G7の中で)古参になってきている。(価値の外交を展開するなどの)チャンスが回ってきている」と語った。

一方、「経済・財政・社会保障」に関する質疑で平木氏は、保育士の離職防止について、公述人の見解を求めた。

常葉大学教授の稲葉光彦公述人(公明党推薦)は、保育現場で必要な知識や技能の習得が不十分だと、自信を失い、離職につながりやすいと指摘。保育士の処遇改善とともに、キャリアアップの仕組みを構築した上で、「大学などでのカリキュラムを改善することが重要だ」と述べた。


耐震など学校の老朽化対策急げ


河野氏

9日の参院文教科学委員会で公明党の河野義博氏は、学校施設の老朽化対策を急ぐよう訴えた。

河野氏は、国公立学校について「築25年以上を経過した施設が急増し、施設面積の75%以上に上っている」と指摘。学校施設は築30年を超えると問題が急増することを踏まえ、「(天井など)非構造部材や私立学校の耐震化は喫緊の課題だ」として、長期的な展望をもって予算を確保するよう政府に求めた。

これに対し、文科省の山下治文教施設企画部長は「あらゆる機会を捉えて必要な予算確保に取り組む」と述べた。


収賄事件、職員の自覚促し再発防止


若松氏

9日の参院環境委員会で公明党の若松謙維氏は、環境省福島環境再生事務所職員の収賄事件について、事件を二度と起こさないために、「職員に(受注企業などと)利害関係がないことを署名させるなど、本人の自覚を促す手続きが必要」と訴え、再発防止策の徹底を求めた。

これに対し、山本公一環境相は「貴重な意見として受け止める」と述べるとともに、「地道でまじめな(除染などの)作業を通じて信頼を取り戻していく」と答えた。

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