e中小企業力強く支援

  • 2017.03.21
  • 情勢/経済
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公明新聞:2017年3月19日(日)付



公明が推進、17年度予算案などから



中小企業の賃上げの動きを後押しするための支援策として、「所得拡大促進税制」を拡充させる。これにより、社員1人当たりの給与を前年度に比べて2%以上引き上げることを条件に、中小企業の場合は賃上げ総額のうち22%(大企業の場合は12%)を法人税額から控除する。


経営基盤の強化


賃上げ企業の減税額を拡大
非正規の正社員化へ助成拡充
資金需要にきめ細かく信用保証メニューを充実

中小企業・小規模事業者への主な支援策「働き方改革」では、長時間労働の是正に向けて退社から次の出社まで一定時間を空ける「勤務間インターバル制度」を自発的に導入した中小企業を新たに支援。また、非正規社員の正社員化に取り組む企業に対して助成金を増額する。

このほか、下請け取引の適正化・改善を確保するため、「下請代金支払遅延等防止法」の厳正な運用や周知徹底に努める。中小企業・小規模事業者が消費税を大企業との価格取引に円滑に転嫁できるよう、時限的に対策調査官(転嫁Gメン)を設置し、違反行為の監視・検査体制を強化していく。

一方、資金繰りの円滑化では、信用保証協会が融資を保証し、返済が滞った場合は代わりに債務を支払う信用補完制度について、政府は昨年12月に見直し案を決定し、2月に関連法改正案を国会に提出した。これには、中小企業の資金ニーズにきめ細かく対応できるよう訴えてきた公明党の主張が盛り込まれている。

具体的には、信用力が乏しい小規模事業者への小口融資を100%保証する制度の限度額を、1250万円から2000万円に拡充する。大規模な経済危機などに備えて発動できる新たな「セーフティネット保証」(100%保証)も整備する。中小企業への経営支援では、金融機関と信用保証協会などが中小企業の経営改善に寄り添う「伴走型」の支援体制の構築をめざす。


生産性の向上


「ふるさと名物」の開発後押し
海外販路の開拓、進出を応援

地域振興につながる支援策として、各地の優れた農林水産品などを活用した「ふるさと名物」のブランド化を応援する。「ふるさと名物」の商品化やサービス開発、海外展示会への出展などに取り組む企業に対し、国が補助を行う。商店街内の店が連携して行う販路開拓や新製品開発なども推進していく。

企業の技術革新(イノベーション)の創出に力を入れる。中小企業・小規模事業者が産学官の連携を通じて行う研究や試作品開発などを支援。

さらに、企業の新たな海外展開を積極的にバックアップする。計画策定から海外販路の開拓、現地進出後のフォローに至るまで戦略的に支え、経済連携協定(EPA)に基づく原産地証明制度などに関する情報提供を行う。

一方で、サービス産業の生産性を向上させるため、中小企業向けの設備投資促進税制を拡充。事業に必要な設備(償却資産)にかかる固定資産税の減免措置の対象について、従来の製造業の機械設備だけでなく、サービス業の器具や備品も新たに追加した。

中小企業経営強化法に基づき、設備投資に取り組む企業の固定資産税が軽くなる制度についても、公明党は国会質問で小規模事業者への丁寧な周知を求めている。


担い手の拡大


若者、女性など幅広く人材発掘
課題にワンストップで相談対応

中小企業・小規模事業者にとって、経営を引き継ぐ者がいないケースは少なくない。

こうした相談に対して具体的なアドバイスを行うのが、各都道府県の商工会議所などに設置された「事業引継ぎ支援センター」だ。事業を他の会社に引き継がせたり、譲渡を希望する企業を引き合わせたりして問題解決をめざす。

また、人材確保を支援するため、若者や女性、シニア世代など幅広く人材を発掘し、企業側に紹介する事業を民間団体などに委託し、広く展開する。

さらに、各都道府県のワンストップ相談窓口である「よろず支援拠点」でも、業者が抱える経営課題に対して総合的な相談に応じる。専門家などを企業に派遣するほか、支援ポータルサイトによる施策の情報提供なども行う。

災害被害に対する復旧・復興支援については、中小企業等グループ補助金を活用し、東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)の津波浸水地域などの復興が遅れている地域を対象に、施設復旧や共同店舗新設への費用を補助。なお、熊本地震については、16年度補正予算などで復旧・復興費を計上している。

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