eコラム「北斗七星」
- 2017.03.23
- 情勢/社会
公明新聞:2017年3月23日(木)付
車を運転中、前方の横断歩道に渡ろうとする人がいます。あなたは止まりますか? 何割の人が止まると思いますか? 日本自動車連盟(JAF)が昨年、全国で調べた。信号機のない横断歩道を通った車約1万台のうち、人が渡ろうとする場面で一時停止した車は、わずか7・6%だった◆道路交通法第38条は横断歩道での歩行者・自転車の優先を規定。渡ろうとする人がいないことが明らかな場合を除き、車は歩道の前で止まれる速度で走らなければならない。渡ろうとする人がいる場合は停止が義務。違反した場合、点数2点、反則金9000円◆なぜ止まらないのだろう。歩行者優先を知らない人もいる。「急ぐ」「そのうち車が途切れる」「誰かが止まる」など自分優先の人もいよう。でも横断歩道で止まる運転をすれば自分も得する。前をよく見る。速度が下がる。安全運転になり、事故を防げるのだ。他にも良いことがある◆車で長野県松本市へ行ったとき。前方の横断歩道右側に小学生らしき男の子が立っていた。北斗子は一時停止。彼は右手を挙げ、短い歩道を駆けた。渡り終えるとこちらへ向き直り、お辞儀した。そのさわやかな姿に、運転疲れでどんよりした気分は一新◆春。新入園・新入学の子どもたちが街に出る。横断歩道で止まり、優しさを送ろう。(直)