e市町村の災害対応力強化

  • 2017.03.28
  • 情勢/気象
[画像]メインイメージ

公明新聞:2017年3月28日(火)付



国交省の有識者懇 民間の積極活用など提言
航空・衛星写真で状況把握



東日本大震災から6年が経過し、間もなく熊本地震からも1年を迎えようとしている。自然災害が各地で頻発する中、課題の一つに指摘されているのが市町村の災害対応を担う技術職員が減少し、被災した道路や河川などの復旧が遅れるという事態の発生だ。国土交通省は、市町村の災害対応力の強化をめざし、「防災に関する市町村支援方策に関する有識者懇談会」(座長=田中淳東京大学大学院教授)で議論を重ね、今月17日に提言を発表した。国交省では提言の内容を踏まえ、市町村への各種支援策に取り組む。

提言では、復旧工事の迅速化に向け、初動対応に追われる被災自治体に代わって民間事業者の活用を推進。復旧事業費を決定する災害査定申請書の作成をはじめ、発注業務や工事監理など一連の活動を民間事業者が一貫してサポートする仕組みを提唱している。

さらに、被災状況を正確に把握するため、災害時に民間事業者や宇宙航空研究開発機構(JAXA)が国に提供する航空写真や衛星写真を市町村が利用できる体制を提案。市町村が管理する施設の地形図などを電子データ化する取り組みも促している。

被災状況の調査などで被災自治体をバックアップする国交省のTEC―FORCE(緊急災害対策派遣隊)も拡充。ドローン(小型無人機)などの先進技術を活用したマニュアルの作成やインストラクターの養成を求めている。

市町村職員のスキル向上策としては、国などが行う災害支援の研修や訓練への参加を促進。被災状況の調査や入札・契約などに関わるマニュアルや解説書の充実とともに、国に対し講習会の開催も呼び掛けている。

公明党は、東日本大震災の教訓から国民の命を守る「防災・減災ニューディール」を掲げ、災害に強い国づくりをリードしてきた。今回の提言を踏まえ、佐藤英道党国交部会長(衆院議員)は「災害に見舞われた際の被災地の迅速な復旧・復興に向け、市町村の災害対応力の向上は何よりも重要。民間事業者の活用や人材育成の支援など今後もしっかり後押ししていく」と語っている。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ