e観光競争力さらにアップへ

  • 2017.04.25
  • 情勢/解説
[画像]メインイメージ

公明新聞:2017年4月25日(火)付



公明の主張反映した政府の関連施策



日本政府観光局が19日に発表した訪日外国人数(推計値)によると、2016年度は2482万3000人で、年度として過去最高を更新した。世界の政財界のリーダーによるダボス会議を主催する「世界経済フォーラム」が11日までに発表した17年版の「旅行・観光競争力ランキング」でも、日本は前回(15年版)の第9位より順位を大きく伸ばし、第4位に浮上。20年の訪日客4000万人という政府目標の達成には、観光競争力のさらなるアップが求められる。公明党の主張が反映された政府の関連施策を紹介する。


海外プロモーションを強化。欧米豪など新市場開拓に注力

20年の東京五輪・パラリンピックの開催で日本に注目が集まっていることを最大限に活用し、政府はプロモーション活動の強化に取り組んでいる。中国などアジア各国からの旅行者を確保した上で、日本での滞在期間の長い欧州や米国、オーストラリアからの旅行者をターゲットにし、新たな観光市場を掘り起こす。17年度の政府予算で約87億円を計上している。

具体的には、世界的に有名な広告代理店を活用し、プロモーション映像などを駆使して日本の多様な魅力を発信、訪日観光のブランドイメージ戦略を展開していく。

また、消費額の大きな富裕層の旅行者を取り込むために、同層を対象にした海外の専門メディアや旅行会社などを集中的に招き、日本の情報を伝えてもらう。とりわけ欧米豪からの旅行者は体験型の観光コンテンツに関心が高い。そこで、日本の歴史や伝統文化を体験できるスポットなどを積極的に売り込む。

他にも、格安航空会社(LCC)や大型クルーズ船の地方への誘致を促進する。


旅行者の快適な移動へ多言語表示や公衆無線LANを整備

外国人旅行者がストレスなく日本で観光を楽しめるよう、快適に移動、滞在できるための環境整備にも力を注ぐ。これには、政府は17年度予算で約85億5000万円を盛り込んでいる。

観光案内所や拠点施設を充実し、多言語表示の展示室や体験・学習スペースの整備など施設の機能を強化、スタッフ研修にも取り組む。また、外国人旅行者が利用しやすいよう公衆トイレの洋式化を進めるほか、ホテルや旅館が行う無料公衆無線LANの整備など環境改善策を支援していく。

さらに、鉄道駅やバスターミナルなどにおける多言語表示化や無料公衆無線LANの設置も後押しし、ストレスのない通信・交通環境づくりを推進する。


広域でモデルコースを策定。東北地方への宿泊客増も重視

訪日客の旅行先が大都市などに偏っていることから、地方への誘客を進める。

具体的には、テーマ性やストーリー性のある観光地を広域でネットワーク化する取り組みだ。政府はこれまでに全国11地域で計31のモデルコースを策定した。例えば、11日に発表されたコースでは、北海道北部の大自然を季節ごとに楽しんだり、江戸文化をテーマに関東の寺社や温泉を巡ったりするプランが示されている。

一方、東北観光については、東日本大震災による風評被害により、急増する外国人旅行者を取り込めていない。そのため、政府は20年に東北6県の外国人延べ宿泊者数を、15年の3倍に当たる150万人にすることを目標とした。航空会社と連携した共同キャンペーンや祭りなどの各地のイベントを通じて、プロモーション活動を海外へ積極的に仕掛けていく。


国際会議の誘致支援


都議会公明党が推進


東京都

東京都は「世界に開かれた国際・観光都市の実現」を掲げ、都議会公明党の推進により、さまざまな施策を打ち出している。

その一つが、大きな経済効果が期待される国際会議の誘致だ。都は現在、24年時点で世界のトップ3に入る年間330件の会議の開催をめざしている。特に、美術館など文化的な都立施設を活用していく方針だ。

併せて、外国人旅行者の受け入れ態勢も拡充する。無料公衆無線LANなど通信インフラの整備はもちろん、医療機関向けの電話救急通訳サービスも推進する。さらに、困っている外国人旅行者に簡単な外国語で手助けする「外国人おもてなし語学ボランティア」の育成事業にも引き続き力を入れていく。


旅行・観光競争力ランキング

世界経済フォーラムが治安、衛生面、インフラ整備の状況、観光資源などの項目について指標化し、ランキングとして発表。136カ国・地域の中で4位に入った日本は、観光客のサービスなど九つの項目で1位を獲得し、「政府による観光産業の優先度合い」も前回の42位から16位に急伸した。一方、絶滅が危惧される動植物(129位)といった環境保全への取り組みが課題として指摘されている。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ