e「好循環」へ指標堅調

  • 2017.05.08
  • 情勢/経済
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公明新聞:2017年4月29日(土)付



中小企業にも賃上げの波広がる
求人倍率 26年ぶり高水準



日本経済の好調さを示す経済指標が相次いでいる【図参照】。

総務省が28日に発表した労働力調査によると、2016年度平均の完全失業率は前年度比0.3ポイント低下の3.0%と、7年連続で改善した。22年ぶりの低水準となっている。

一方、厚生労働省が発表した16年度平均の有効求人倍率は0.16ポイント上昇の1.39倍となり、バブル期の90年度(1.43倍)以来、26年ぶりの高水準。

就業者数は66万人増の6479万人で、正社員数は47万人増の3388万人となった。

直近の3月に限れば、完全失業率(季節調整値)は2.8%。有効求人倍率(同)は前月から0.02ポイント改善し、1.45倍と、16年度平均を上回る水準だ。

景気が緩やかに回復する中、運輸業や建設業を中心に人手不足感が強まっており、総務省は「長期的に見ても雇用情勢は着実に改善している」(労働力人口統計室)と分析する。
雇用情勢の改善を追い風に、賃上げも続く。

経団連が25日に発表した大手企業の17年春闘妥結状況(第1回集計、回答63社)では、定期昇給を含む月例賃金の引き上げ額は、組合員平均で7155円。上昇率は2.18%で、14年から4年連続で2%を上回った。

中小企業も今年の春闘で大きな成果を挙げている。

自動車や電機など五つの産業別労組で構成する金属労協の発表によると、3月末時点の集計では、傘下の中小組合が経営側から得たベースアップ(ベア)回答額の平均が、初めて大手を上回ったという。

日本経済の屋台骨を支える中小企業で賃上げが広がれば、現状では力強さに欠ける個人消費を押し上げ、さらなる経済成長につながると期待されている。


IMF、日本の成長率見通しを引き上げ

日本経済の先行きについて、日銀や国際通貨基金(IMF)も、強気な見方を示す。

日銀は27日の金融政策決定会合で、経済・物価情勢の展望(展望リポート)をまとめ、景気判断を「緩やかな拡大に転じつつある」に引き上げた。「拡大」の表現はリーマン・ショック前の08年3月以来9年ぶり。IMFは、18日に発表した世界経済見通しで、17年の日本の成長率を1.2%と、1月時点の予測から0.4ポイント上方修正した。

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