e私立小中 授業料を軽減(年額10万円)
- 2017.05.08
- 生活/子育ての補助金・助成金
公明新聞:2017年5月2日(火)付
年収400万円未満対象に実証事業
いじめなど個々の事情に応じて選択しやすく
公立の小中学校でいじめを受けたことを理由に、私立に転校するケースなど、家庭によっては私立を選ばざるを得ないさまざまな実情がある。そこで、文部科学省は公明党の提案を受け、2017年度から、私立小中学校に子どもを通わせる年収約400万円未満の世帯について、授業料負担を年額10万円軽減する事業を始める。
対象となる保護者には、5月以降、各都道府県か学校から申請に必要な書類などの案内がある。
同事業は、私立に通う児童生徒への経済的支援に関する「実証事業」として実施。文科省が行うアンケート調査への協力が授業料軽減の条件となる。小中学校の全学年で実施し、小学校で約2000人、中学校で約9000人が対象となる見通し。
義務教育である小中学校は、国公立が無償となっている一方、私立の場合、小学校で年間平均約43万円、中学校で同約41万円の授業料が掛かり、家庭の経済的負担が大きい。文科省は調査結果を通じて、私立を志望した理由や各世帯の経済状況などを分析し、効果的な経済支援に関する検討を行っていく考え。
なお、「年収400万円未満」との要件は、父母が働き、高校生以上の子どもがいない場合の目安。保護者の市町村民税所得割額が10万2300円未満であれば、要件を満たす。
公明党は、私立小中学校に子どもを通わせている世帯について、私立に通うさまざまな事情がある一方、十分な支援が行われてこなかった状況の改善を一貫して主張。個々の事情に応じた学校選択をしやすくする観点から、政府側に支援を働き掛けてきた。