e水害への備え万全に

  • 2017.05.08
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年5月6日(土)付



関東・東北豪雨の被災地域で
住民の避難体制を強化
仙台市太白区



仙台市太白区の"水害常襲地"でこのほど、河川の危険水位を知らせる仕組みなど、安全対策が新たに施された。2015年9月の関東・東北豪雨に伴う河川の氾濫直後から、現場で災害対応に当たり、被災住民に寄り添ってきた公明党の横山昇・宮城県議と鈴木広康市議の奮闘が実を結んだ。

 

「気が付いたら水かさがどんどん増えていて、本当に怖かった」。党員の熊谷かつよさんは、15年9月11日早朝の光景をこう振り返る。

熊谷さんが住む仙台市太白区の郡山地域には、谷地堀という普段は静かな小川が流れている。だがこの日、未明から降り続いた豪雨の影響で茶色い濁流に変わり、「あっという間」に堀を越え、住宅街に流れ込んだ。この時、熊谷さんの近所に住む党員の江間法夫さん(63)の自宅は、床上10センチまで浸水したという。

当時、江間さんは降り続く豪雨が気になって寝付けなかったが、「夜間だったから、どんな事態になっているか分からなかった」と話す。夜明け頃には川の水が自宅の直前まで迫ってきたことに恐怖感を抱いたと言い、「避難勧告が出ていれば準備できたのに......」とやるせなさをにじませた。

消防団のボートによる救助も行われる中、横山県議と鈴木市議は現場へ急行し、災害対応に奔走。被災した住民の声を聞き取り、すぐさま氾濫の原因究明と対策に動き出した。



「なぜ避難勧告や避難指示が出されていなかったのか」。直後の9月定例会で鈴木市議は当局の対応をただした。

これに対し危機管理監は、「災害対策本部において、このような状況を把握できていなかった」と答弁。市によると、9月10日から11日にかけての豪雨で県管理の旧笊川と、その支流に当たる市管理の谷地堀から水が溢れ、床上浸水の被害は同地域で約15棟に上った。

原因は、本流の名取川の水位が急激に上昇し、氾濫を防ごうとして、合流する旧笊川の水門を閉めたことによる逆流。さらに国や県、市における情報伝達体制の見直しの必要性も明らかになった。鈴木市議は「県とも連携し、しっかり対応していただきたい」と訴えた。

一方、横山県議も同年12月の予算特別委員会で、市との協議状況について質問。その上で、「水位周知河川として指定できないか」と提案した。


公明県議、市議の連携実り水位計、カメラ 設置し周知へ

公明党の県議と市議の連携で、水害対策は一気に進展。16年3月、旧笊川は水位周知河川に指定されたのに伴い、同年5月に水位計が、そして今年3月には監視カメラも設置された。これにより洪水特別警戒水位が定められ、一定の水位に達すると市に通知され、避難勧告などが発令できる新たな体制が整った。

横山県議と鈴木市議はこのほど、水位計と監視カメラが設置された現場を視察。近くに住む北目町内会役員の枝隆夫さん(70)は「ここまで万全に対応してくれるとは思わなかった」と感謝を述べていた。

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