e政治の安定に現場力
- 2017.05.18
- 情勢/社会
公明新聞:2017年5月18日(木)付
人口減、高齢化 克服へ
地方創生、総活躍、働き方改革など持続可能な日本を構築
都政前進へ合意形成に役割
名古屋市で井上幹事長が講演
公明党の井上義久幹事長は17日午後、名古屋市で行われた「ミッドランド毎日フォーラム」で「安倍政権の課題と公明党」をテーマに講演し、質問に答えた。この中で井上幹事長は、4年半を迎える自公連立政権について「最大の成果は政治の安定だ」と強調。公明党の役割に関して「3000人近くいる地方議員と国会議員のネットワークを通じ、公明党の政治には(現場の声を踏まえた)リアリティーが最もある。それを現実の意思決定に反映していくことだ」と力説した。
井上幹事長は、自公連立による安倍内閣の発足以来、4度の国政選挙を経て、安定した政権運営が可能な議席数を確保しているものの、「政治の安定には国民の理解を得られる国会運営が基本だ」と指摘。自民、公明両党が、それぞれに寄せられる幅広い民意を反映してきたことが、高い支持率を維持している大きな要因だとの認識を示した。
また、政治のあり方に関して、「現場で何が起きているかを受け止めながら、政治のかじ取りをすることが重要で、そこに公明党の役割がある。政権がリアリティーを失うことがないよう、役割を果たしていきたい」と語った。
外交・安全保障政策に関しては、安倍晋三首相が就任以来、70を超える国々と首脳外交を展開していることに触れ、「世界で日本のイニシアチブ(主導性)を発揮している。ここでも政権の安定の成果が表れている」と力説。緊迫する北朝鮮情勢も踏まえ、「日中、日韓、日中韓の関係は極めて重要だ。本格的に構築していくとの問題意識は首相も持っている」と述べた。
内政に関しては、人口減少とそれを上回るスピードの高齢化、長寿命化を最大の課題と指摘。着実に経済再生は進んでいるとした上で、「地方創生や1億総活躍、働き方改革などの政策を打ち出しているが、本格的な人口減少社会の中で、どう持続可能な社会にしていくかという課題を、一つ一つ解決するための政策だ」と訴えた。
一方、衆院で審議されている「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案に関しては、17日午前、民進党などが法相の不信任決議案を提出したことに触れ、「18日の本会議で(不信任案を)否決し、19日に法務委員会の審議を再開する。審議時間も積み上げてきたので、そろそろ採決の時期だと考えている」と述べ、遅くても来週半ばには参院に送付したいとの考えを示した。
同法案の必要性については、テロを未然に防ぐには国際協力が欠かせないとして、国際組織犯罪防止条約を締結するため、国内法を整備しなければならないと強調。その上で、「処罰の対象を組織犯罪集団に限定し、厳しく構成要件を設定して恣意的な運用が行われないような仕組みにした。対象の犯罪も大きく絞り込んだ」と述べ、国民の理解を求めた。
東京都政に関しては、知事と議会に一定の協力関係がなければ政策は前に進まないと指摘。「都議選後の都政運営では、知事と議会の合意形成に公明党が大きな役割を果たさなければならない」と述べた。