e日韓関係の未来開く
- 2017.05.19
- 情勢/国際
公明新聞:2017年5月19日(金)付
首脳会談、早期実現に尽力 山口代表
互いの信頼構築へ新出発 文特使
山口代表、文喜相韓国特使と会談
公明党の山口那津男代表は18日、東京都新宿区の党本部で、韓国の文在寅大統領の特使として来日した文喜相国会議員と会談した。山口代表は日韓関係を発展させる重要性を力説し、「政党や国民同士の交流が重要な役割を持つ。公明党は日韓関係の大きな発展のために尽くしていく」と強調。文特使は「連立与党の一つの軸である公明党に支えてもらい、力添えをもらえれば必ず新しい韓日関係が開ける」と述べた。会談には、井上義久幹事長と魚住裕一郎参院会長のほか、李俊揆駐日大使らが同席した。
冒頭、山口代表は、改めて文大統領の就任に祝意を伝えるとともに、文特使らの来日を歓迎。同日午前の安倍晋三首相と文特使の会談で、首脳会談の早期実現や、「シャトル外交」の復活、北朝鮮問題での連携で一致したことに触れ、「重要な日韓関係を発展させていくことは、与党としても、しっかり支えていく」と力説した。
文特使は、安倍首相との会談で一致した内容について「新しい未来志向の2国間関係の発展に、決定的なモメンタム(推進力)の役割を果たすことを期待している」と表明し、公明党の協力を要請した。
これに関して山口代表は、「大事な目的は日韓関係をいい方向へ持っていくことだ。そのために互いの言い分があったとしても、上手にマネジメント(管理)する知恵を出さなければならない」と指摘した。
文特使も「重要なのは両国間の信頼だ。信頼があれば、何が起こっても互いに信頼し合うことができる。そういう意味で今、新たなスタートになったと思っている」と述べた。
また、山口代表は、「韓国は日本に文化を伝えた恩人の国だ」と語り、「両国民が繁栄していくために、政治の安定をつくり、経済はもちろん、文化や教育などの面での交流発展を図っていきたい」と強調した。
一方、日中韓3カ国が持ち回りで開催する日中韓サミット(首脳会議)について、山口代表は「日本が議長国となっており、日本としてはできるだけ早く開催しなければならないと思っている」と表明。日韓首脳会談については、7月に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議をはじめ、「多国間の会議のチャンスも生かして話し合う場をつくれるよう、与党としてバックアップしていきたい」との考えを示した。
これに対して文特使は、早期の首脳会談実現を望むとともに、日中韓サミットについて「日本から提案をもらったので、それを実現したいというのが(文大統領から安倍首相への)親書に書かれている。互いに実現のために努力しようとの話があった」と紹介した。
井上幹事長は、多くの日本国民が文大統領の誕生を歓迎しつつも、北朝鮮問題などの行方を心配していると指摘。「いち早い特使派遣のほか、シャトル外交を中心に緊密な関係を築いていくという大統領のメッセージは歓迎すべきものだし、国民にも安心を与えたのではないか」と評価した。
「シャトル外交」促進 安倍首相とも会談
安倍晋三首相は18日、韓国の文在寅大統領の特使として来日した文喜相国会議員と首相官邸で会談した。文特使は、日韓両首脳が頻繁に往来・対話する「シャトル外交」を促す内容の大統領親書を首相に手渡した。首相と文特使は日韓関係を未来志向で発展させ、早期の首脳会談に向け調整を進めることで一致。北朝鮮の核・ミサイル開発への対応での緊密な連携も確認した。
首相は席上、「日韓は戦略的利益を共有する最も重要な隣国だ。未来志向の日韓関係を築いていきたい」と強調。文特使は「未来志向の関係発展は大統領の意思」と応じた上で、「早急に首脳間でお会いすることを大統領も望んでいる。頻繁に会うことで両国の理解が深まる」と述べた。また、特使は「北朝鮮の核問題に共同対処すべきだ」とも指摘した。