eコラム「北斗七星」

  • 2017.05.23
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年5月23日(火)付



景気は間違いなく回復傾向にあるが、国民の財布のひもはまだまだ固い―。これが日本経済の現状と言えよう。景気を本格的な回復軌道に乗せるには、国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費を喚起することが欠かせない◆18日に発表された今年1~3月期のGDPは、11年ぶりに5期連続のプラスとなった。要因の一つは個人消費が伸びたからであり、この点は明るい材料だ。ただ、伸び率を見ると0.4%のプラスにとどまり、いまひとつ勢いを欠いている◆国民の間には節約志向が根強い。その背景に、急速に進む超高齢社会に対する「将来不安」があることはかねてから指摘されてきた。さらに最近は、「現在負担」が消費活動を抑える一因になっているとの論調が目に付く◆例えば、子育て世帯にとって最大の負担は教育費であろう。この点、19日に公明党が政府に申し入れた政策提言「成長戦略2017」に、幼児教育の完全無償化や学校給食の完全実施と無償化の推進を掲げたことに注目したい◆これは、未来をつくる子どもたちに対する「人への投資」を成長戦略の柱にとの視点で立案されたものだが、「現在負担」を軽くすることは消費喚起につながることも期待できる。日本経済の再生に向け、こうした一石二鳥の政策にも知恵を絞りたい。(幸)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ