e教員「働き方改革」急げ
- 2017.05.23
- 情勢/社会
公明新聞:2017年5月23日(火)付
公明、首相に提言
無償化めざし教育費、負担軽減さらに
公明党の石田祝稔政務調査会長と大口善徳国会対策委員長は22日、党教育改革推進本部の富田茂之本部長、浮島智子事務局長(ともに衆院議員)らと共に、首相官邸に安倍晋三首相を訪ね、教職員の「働き方改革」を求める「緊急提言」と、教育投資の抜本的充実に向けた提言を申し入れた。安倍首相は両提言について「大変重要な提案」と述べ、具体化をめざす考えを示した。
席上、石田政調会長らは、公立小中学校教員の勤務実態について、月80時間超の時間外勤務をしている教員が多数に上った4月の政府調査結果を踏まえ、「教員の心身の健康が損なわれかねないし、子どもに向き合う時間が十分に確保できない」と指摘。長時間労働是正など教員の働き方改革の断行へ「早急な対応が必要だ」と訴えた。安倍首相は「政府として(取り組みを)進めたい」と応じた。
提言では、「部活動指導員の配置の抜本的充実など部活動業務の軽減」「ICTの活用などによる学校業務の効率化や勤務時間の適正な管理」「教員をサポートする専門スタッフの増員」などを提案した。
一方、教育投資の抜本的充実に向けた提言では、(1)0~2歳児を含む幼児教育の完全無償化(2)私立小中の授業料負担の軽減(3)高等学校等就学支援金や高校生等奨学給付金の大幅拡充(4)大学生などが対象の給付型奨学金の拡充―などを実現するよう要請。
席上、提言をまとめた同本部「教育費無償化財源検討プロジェクトチーム」の浮島座長は、教育費の無償化をめざした負担軽減をさらに進めていく意義として、「経済的な理由などによらず、誰もが必要とする教育を受けられることにより、少子化や教育格差などの解消、経済成長など社会全体への効果が見込まれる」と強調。
財源については「民間資金の活用も図りつつ、所得税、相続税の見直しなどのほか、将来的に消費税の見直しを検討する際には、使途として教育を明確に位置付けるべき」とし、具体化するまでの間、段階的な措置や他の財源確保の方策を着実に行う必要があると訴えた。安倍首相は「政府・与党で考えたい」と述べた。