eコラム「北斗七星」

  • 2017.05.29
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年5月29日(月)付



暖かな日差しを全身に感じ、爽快だった。これまで車で行っていた友人宅を先日、初めて自転車で訪問した。汗をかかないゆっくり速度で片道1時間、車の通行が激しい道路を避けての道中だった◆さて、今の自転車の原型がドイツで発明されたのは200年前。ハンドルと木製の前後2輪を備え、足で地面を蹴って走るものだった。その後、クランクやペダル、チェーンといった駆動装置が付き、空気入りゴムタイヤになって世界中に広がった◆健康によく、環境に優しい自転車は、交通混雑の緩和に役立ち、災害時には有効な移動手段ともなる。国内保有台数は現在、約7200万台に上る。だが、急速な経済発展とともに自動車社会となった日本は、西欧の各都市に比べ、自転車を生かす街づくりの遅れが否めない◆そんな自転車の活用を進めようと、自転車専用道路や通行帯の整備、地域活性化などの計画策定を国に義務づけ、自治体も努めるよう定めた自転車活用推進法が今月からスタート。例えば東京都では、都内各区で相互利用できる広域シェアサイクルが都議会公明党の推進で前進している。こうした取り組みの全国的な拡大を急ぎたい◆一方、年間の自転車事故件数は約9万件に及ぶ。自転車利用者のルール厳守、運転マナーもギアチェンジが求められよう。(翼)

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