e無年金者の請求漏れ防ぐ
- 2017.06.05
- 生活/生活情報
公明新聞:2017年6月4日(日)付
8月から受給資格期間短縮
厚労省の要請受け市町村、施設が手続き支援
公明推進
公的年金を受け取る資格を得るのに必要な加入期間(受給資格期間)が今年8月以降、25年から10年に短縮される。無年金者が年金を受け取るには請求手続きが必要だが、それが困難な高齢者もいることから、厚生労働省は請求漏れを防ぐため、現在、市区町村や民生委員、老人福祉施設の協力を得て手続きの支援に取り組んでいる。公明党の主張を受けた対応。
受給資格期間の短縮は、公明党の推進で昨年11月に成立した無年金者救済法に基づくもの。新たに約64万人が受給資格を得る見込みで、今年10月から支給が始まるが、実際に受け取るには本人か代理人が「年金請求書」を近くの年金事務所などに提出する必要がある。
対象者には、日本年金機構が2月末から7月上旬にかけて順次、請求書を送付している。しかし、生活保護受給者や独り暮らしの高齢者、特別養護老人ホームの入所者などを中心に、請求書が届いてもスムーズに手続きできないことが懸念されていた。
このため、厚労省は3月から5月にかけ、生活保護受給者と日ごろ連絡を取っている各市区町村の福祉事務所のケースワーカーや、地域事情に詳しい民生委員、老人福祉施設などに協力を要請。機構から封筒が届いていたら、内容を確認するよう対象者に促す取り組みを依頼した。対象者への説明や助言、本人確認が困難な場合の家族などとの連携も、必要に応じて行うよう要請している。
公明党は、請求手続きについて万全の態勢を整えるよう主張してきた。中でも昨年11月に衆院厚労委員会で角田秀穂氏が、参院同委で谷合正明、熊野正士の両氏が、市区町村との連携や介護事業者への協力要請などを求めていた。
封筒が届いたら...まずは「ねんきんダイヤル」へ
黄色い封筒が届いたら、まずは「ねんきんダイヤル」【別掲】に電話を―。年金の受給資格期間短縮に伴う手続きで厚生労働省は、対象者に対し、請求書が入った黄色い封筒が日本年金機構から届いたら、電話予約をして年金事務所を訪れるよう勧めている。
同省によると、予約なしの来訪は順番が後回しになったり、手続きに手間取る恐れがあるが、予約すると年金事務所が事前に準備できるため、手続きが15~30分ほど短縮できるという。