eコラム「北斗七星」
- 2017.06.09
- 情勢/社会
公明新聞:2017年6月9日(金)付
「AI(人工知能)スピーカー」の話題に接することが多い。人間の声に反応して作動する小型スピーカーで、インターネットによる情報検索やショッピング、音楽の再生などに加え、照明の点灯やエアコンの調節も声一つで行える◆既にアメリカではヒット商品となり、スマートフォン以来の新たな生活必需品になるとの見方もある。主に指で操作するスマホに対し、声だけで利用できるAIスピーカーの登場は、手の不自由な人にも朗報だろう。日本では年内にも発売される見込みだ◆AIをはじめ、第4次産業革命が生み出す技術革新によって実現する社会を「ソサエティー5.0」と呼ぶ。狩猟社会→農耕社会→工業社会→情報社会に続く第5の社会のことだ。政府の成長戦略でも重要テーマの一つになっている◆この新しい社会は、単に生活がより便利になるだけではない。例えば、ネット空間に蓄積された膨大な情報(ビッグデータ)とAIを結ぶことにより、人口減少や超高齢化が進む日本にあって、産業の生産性向上や社会のバリアフリー化といった課題の解決をめざす◆ソサエティー5.0は「超スマート社会」ともいわれる。「スマート」とは「賢い」という意味だ。急激な時代の変化を見誤ることのないよう、日本の政治も賢明であらねばならない。(幸)