e女性の活躍推進 企業の情報公開 どう促すか

  • 2017.06.15
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年6月15日(木)付



自らの能力をもっと社会で発揮したい―。こうした女性の希望をかなえる環境を整備することは、わが国の活力にもつながろう。

政府の「すべての女性が輝く社会づくり本部」(本部長=安倍晋三首相)は、2018年度予算案の編成に向けた重点事項である「女性活躍加速のための重点方針2017」を決定した。

これには、喫緊の課題である保育所待機児童の解消や、介護離職ゼロに向けた介護人材の処遇改善、さらには、国内で製造・販売されていない乳児用液体ミルクの普及による育児負担の軽減など、公明党の主張が随所に反映されており、評価できる。

女性の社会進出は進んでいる。実際、女性の就業率は昨年、66%と過去最高となった。しかし、いまだに第1子の出産を機に育児休業を取得せず退職する女性は5割に上る。女性が就業を継続できるよう、手だてを講じる必要があろう。

この点、重点方針が、企業における女性の活躍に関する情報公開の促進を掲げたことに注目したい。

昨年4月に完全施行された女性活躍推進法は、数値目標を掲げた女性活躍の行動計画の策定を大企業などに義務付けている。さらに、勤続年数の男女差や女性管理職の割合など14項目の情報の中から、一つ以上を公表することも義務付けている。

従業員5000人超の大企業の中には、10項目以上を公表するなど情報公開に積極的な動きも見られる。女性の活躍を進めるためには、このような流れをさらに広げていきたい。

そこで、情報公開のあり方を見直してはどうか。例えば、育児休業や年次有給休暇の取得率など、女性の関心が高いと思われる項目を必ず公開することも一案だろう。

情報公開に積極的な企業に女性の求職者が集まるようになれば、女性が働き続けられる環境づくりに取り組む企業は増えるのではないか。

自治体の役割も重要だ。東京都は女性の活躍推進に取り組む中小企業を積極的に支援し、事例集を作成、中小企業の管理職に対する研修なども実施している。こうした試みも参考にしたい。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ