eスーパーで子育て相談
- 2017.06.22
- 生活/生活情報
公明新聞:2017年6月22日(木)付
認定こども園の保育教諭を派遣
アンケートで声掛け
孤立する母親らの支えに
大阪・貝塚市
大阪府貝塚市は今年度、認定こども園の保育教諭が「すくすく子育て応援隊」として、市内のスーパーマーケットなどへ買い物に来た母親などから子育てに関する相談を受ける事業に取り組んでいる。これは貝塚市版ネウボラの一環で、子育て施策を推し進めてきた市議会公明党(北尾修幹事長)はこのほど、市内の商業施設を訪れ、関係者から話を聞いた。
同事業は、火曜日と木曜日に実施。子育てに関するアンケートを取りながら、育児を巡る不安や悩みについて相談を受ける。市議会公明党が視察した事業初日、市内2カ所の商業施設で計57人の母親らがアンケートに答えるとともに、日頃から抱えてきた悩みを保育教諭に相談した。
認定こども園の保育教諭で、地域子育て支援担当の伹中里恵さんによると、子どもが食事の途中で遊び出してしまったり、歯磨きや入浴を嫌がるといった、いわゆる「イヤイヤ期」に関する相談が多かったという。母親らからは「また相談に来たい」との声も寄せられており、市保育こども園課の杉本寿美子参事は「悩みの多くは特殊なものではなく、誰もが経験するものばかり。保育教諭とつながりを築くことによって安心して子育てをしてほしい」と語っていた。
厚生労働省によると、3歳未満の子どもを持つ家庭の多くは、子どもを保育所に預けることなく子育てを行っている。ところが、核家族化や地域とのつながりの希薄化などに伴い、こうした子育て世代が子どもの育て方に関して「相談できる人がいない」「どの情報が正しいのか分からない」と悩み、家庭内で孤立するケースが多く見られる。このため、地域全体で子育てを支援する必要性が指摘され、認定こども園にも広く子育て家庭を支援する役割が求められるようになった。
同課の西阪和隆課長は、今回の事業について「育児に追われたり産後うつなどで外出の機会が少ない人でも買い物には行く。スーパーなどで声掛けをして、サポートするきっかけをつくることができればと考えた」と説明する。市は今後、アンケートの結果を基にアドバイスを記したリーフレットを作成し、今年の夏以降に配布する予定だ。
子育て支援については、市議会公明党の谷口美保子議員が2015年9月の定例議会で、親が孤立し育児に悩んだ末に子どもを虐待してしまう例が多く報告されていることに言及し、ネウボラの設置を要望。同年12月の定例議会では、母親らが気軽に相談できる体制の整備も求めていた。