eコラム「北斗七星」

  • 2017.07.07
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年7月7日(金)付



新スタートを切る東京都議会。127人のうち54人が新人だ。議員など公務に就く公人で思い出す人物がいる。JR7社に分割民営化される前の国鉄で総裁を務めた石田禮助だ◆『よみがえる力は、どこに』(城山三郎著)の「ふたりの若き兵士たち(ヤング・ソルジャーズ)」で紹介されている。1963年、当時の首相から依頼され、77歳で第5代総裁に就任した◆三井物産の代表取締役社長も務めた石田は最初の記者会見で、自らを「ウォーム・ハートを持ったヤング・ソルジャー」と称する。直訳すれば、熱い心の一兵士。同著は<自ら犠牲になって耐え抜いて働くという覚悟からだ>と記す◆「公職は奉仕すべきもの」と宣言した石田は、部下の副総裁に「きみのいやな仕事は全部おれが引き受ける」と言い、実際にそうしてみせる。"戦地"(職場)で先頭に立ち耐え抜いたのだ。「あんなに気持ちのいい人はいなかった」と部下◆存命中から勲章を拒否し、没後は妻が断る。一方で、退任時の記念品だった東京駅長の帽子に大喜びする。ノン・キャリア組の頂点のシンボルで、ノン・キャリアの抜擢人事を始めたのが彼だった◆石田が逝って39年。誠実な奉仕の姿は歳月を超え輝く。新しい都議会。「大衆とともに」が原点の公明党の役割は大きい。(六)

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