eいじめ相談 SNSでも
- 2017.07.21
- 情勢/解説
公明新聞:2017年7月21日(金)付
文科省 有識者らで検討始める
公明、中高生の実態踏まえ提案
学校でのいじめによって子どもたちが深刻な事態に追い込まれるケースが後を絶たない。最近も、いじめに遭っていた子どもが自ら命を絶つ事例が報道されている。いじめによる悲劇を未然に防ぐには、子どもからのSOSをいかに早くキャッチし、適切に対処するかが大切になる。文部科学省は公明党の提案を受け、新たな取り組みに着手し始めた。
現在、文科省が実現をめざしているのは、LINEなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じた、いじめの相談体制の構築。13日には、有識者による「ワーキンググループ」(WG)の初会合を開き、検討を始めた。
若者の多くがコミュニケーションの手段として電話(音声通話)より、主に文字でやりとりを行うSNSを使っている現状を踏まえ、WGは「システムを設計し、施策を打ち立てるため」(坪田知広児童生徒課長)に立ち上げられた。
13日の会合では、SNSを運営する民間2社と千葉県柏市が、いじめ防止に関する取り組みの事例を報告し、SNS上の相談窓口設置が、いじめの早期発見や抑制効果につながることを強調した。
その上で、同省として、いじめの相談にSNSを活用する際のあるべき規模や仕組みのほか、相談を受ける側の資質や対応のあり方などについて議論した。
出席した有識者からは「緊急性の高い相談や深夜の時間帯にも対応できる体制は大切」「『聞いてほしいだけの相談』と『解決に向けた対応』のそれぞれが必要」「学生と、キャリアのある相談員とがペアを組んで対応できるのが理想」などの意見が出された。
SNSを活用したいじめの相談について、公明党は、今年3月に浮島智子衆院議員が松野博一文科相に要望し、4月の衆院文科委員会では吉田宣弘氏が早期の体制構築を要請。答弁で、松野文科相は「実現に向け検討したい」と明言していた。
文科省は、7月中にWGの会合をあと2回開き、SNSによる相談体制の具体化を急ぐ考えだ。