eコラム「北斗七星」
- 2017.07.25
- 情勢/社会
公明新聞:2017年7月25日(火)付
情けないことだが、外国人から英語で問いかけられ、頭が真っ白になってしまった。見かねた高校生が"助っ人"を買って出てくれた。冷静になって聞いていると、それほど難しい会話ではないのに、自分の口からは出てこない◆2018年4月から、小学校での英語教育が義務化。これまでの「外国語活動」から、5、6年生では教科としてスタートする。そこで気になるのは、スムーズに中学校での授業に移行できるかどうか◆ある調査によると、小6生の時に82.6%が「小学校英語は中学校で役立つ」と感じていたのに、中1生の終わりの時点で「役立っている」と答えたのは53.9%と、著しく減少した。一方、「役立っている」と感じている中1生は、中学校の授業で考えていることなどを英語で「話す」活動を多く行っている(ベネッセ調べ)◆文部科学省によると、英語教育について小学校と連携している中学校は8割近くに上るが、カリキュラムの作成まで踏み込んでいる中学校は1割強にとどまっている。小学校教員の英語力充実とともに、小中学校間での細やかな連携強化も望まれる◆英語力を高めるだけで就職や進学が有利になるというわけではない。しかし、広い世界へ飛び出す扉を、子どもたちのために大きく開けておきたいものだ。(繁)