e事業継続計画 BCP推進都市宣言
- 2017.07.25
- 生活/生活情報
公明新聞:2017年7月25日(火)付
全国初 街全体で防災力強化
中小企業、介護施設など策定を後押し
栃木・真岡市
栃木県真岡市はこのほど、企業や団体が災害発生時などに取るべき行動をあらかじめ定めた事業継続計画(BCP)の「策定推進都市」を宣言した。市によると、同宣言は全国の自治体で初めて。中小企業や介護施設などのBCP策定を積極的に支援し、街全体の防災力強化をめざす。
BCPは、自然災害などの緊急事態を想定し、速やかな復旧や中核となる事業を継続するための行動や手段をまとめた計画書。東日本大震災以降、自然災害に対応したBCPの策定が全国の自治体や企業で広がっている。栃木県は、2020年度までに全市町での策定をめざしており、真岡市では今年3月に地震や風水害、原子力災害に備えたBCPが策定された。
推進都市宣言に当たって、市はBCP策定状況をつかむため、市内1026事業所に対してアンケート調査を実施。今月6日までに370件の回答があり、BCPを「策定済み」(93件)と「策定中」(161件)が約7割に上った。「検討している」も43件あった。また、策定・改定に対する支援については「支援してほしい」が151件、「説明をきいてみたい」が111件だった。
同市安全安心課によれば、大手・中堅の製造業などはすでに策定を終えており、今回の宣言を機に「中小企業や個人事業主にも広がるよう後押ししたい」と説明。市は今後、県の「BCP策定支援プロジェクト」との連携を強化し、8月から啓発用のポスター配布やセミナー開催を通して周知を図る方針。また、新たにBCPを策定する際には、県と協定を結ぶ大手保険会社から個別指導が受けられる。
万全な備えへ公明がリード
一般質問などを通してBCPの策定をリードした公明党の荒川洋子市議はこのほど、石坂真一市長と会い、意見交換した。
石坂市長は都市宣言の意義について、行政と企業が一体となって防災力強化に取り組むことで「災害に強い街であることを周囲に発信したい」と強調。特に介護施設や保育所などで策定を支援したいと述べた。
これに対して荒川市議は、BCPの策定などを通して「不測の事態への備えを万全にすることが災害に強い街づくりへの第一歩だ」と指摘し、「都市宣言が実行力あるものになるよう推進したい」と語った。