e新自殺対策大綱

  • 2017.07.31
  • 情勢/社会
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公明新聞:2017年7月29日(土)付



党自殺防止PT
谷合正明座長に聞く



政府は25日の閣議で、国の自殺対策の指針となる新たな自殺総合対策大綱を決定した。昨年成立、施行された改正自殺対策基本法や、自殺の実態を踏まえ、5年ぶりに対策を抜本的に見直す内容。新大綱について、党自殺防止対策プロジェクトチーム(PT)の谷合正明座長(参院議員)に聞いた。


重点施策に「子ども・若者」
公明の主張 随所に反映 "SOS出し方教育"を推進

 

―自殺の実態は。

谷合正明座長 年間自殺者数は近年、減少傾向にあるが、2016年は2万1897人に達し、子どもや若者も相当数いる。一人の命が失われることの重さは言うまでもなく、家族や周りの人の悲しみや生活上の影響も計り知れない。いまだ"非常事態"だ。対策強化を急ぐ必要がある。

―新大綱で重視している点は。

谷合 大綱に位置付けられた理念「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現をめざす」が重要だ。主要先進7カ国の中で最も高い、わが国の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)を今後10年間で30%以上減少させ、先進諸国並みの「13.0以下」にするとの目標が掲げられ、地域での実践的な取り組みに重点が置かれた。

自殺の要因は過労や生活困窮だけでなく、産後うつや介護疲れ、いじめ、孤立などさまざま。そこで、関連施策との連携を強化し、地域の実情に応じて総合的に対策を進めるとしたことも大事な点だ。大綱に示された12の重点施策には、それぞれ担当府省も明記され、民間団体と行政の連携強化も打ち出された。

―若年層への対策は。

谷合 若い世代の自殺は、社会にある"生きづらさ"の表れであり、最優先で対処すべき課題だ。公明党の強い主張を受け、「子ども・若者の自殺対策」が新たに重点施策に位置付けられた。子どものいじめ相談の充実や、困難やストレスへの対処方法を身に付ける「SOSの出し方教育」を進める。公明党が提案したSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)活用も盛り込まれた。

―公明党はどう取り組むのか。

谷合 今後、都道府県と市町村は、地域自殺対策計画の策定を行うことになるが、公明党の長野県本部青年局は昨年末、アンケートを実施し、その結果を基に、「SOSの出し方教育」のプログラム開発、SNSを活用した啓発活動を県に要望した。

こうした先進的な取り組みも参考にしながら、党の国会議員と地方議員のネットワークの力を今まで以上に発揮し、各地の対策を後押ししていきたい。

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