eコラム「北斗七星」

  • 2017.07.31
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年7月31日(月)付



映画の公開をきっかけに、沖縄戦の激戦地となった前田高地(浦添市)を訪れる人が増えている。その映画とは『ハクソー・リッジ』(メル・ギブソン監督)。武器を持たずに戦地を駆け回り、敵味方の区別なく命を救った衛生兵の奮闘を描いた実話だ◆ハクソーは「のこぎり」、リッジは「崖」を意味する。同場所が約150メートルの絶壁を有し、のこぎりで切断したように険しいことから、そう呼ばれた。今では戦跡ツアーが組まれ、観光客や米軍関係者も足を運ぶ◆一方で映画には描かれていない部分もある。同場所では多くの住民が巻き込まれ、浦添村(当時)の人口の44.6%が亡くなった。そこは文字通り"地獄"だったに違いない◆最後の激戦地となった糸満市摩文仁には、沖縄戦の犠牲者を悼み、国籍や軍民関係なく全戦没者名を刻んだ「平和の礎」が建つ。先月亡くなった大田昌秀元県知事が建立に尽力した◆戦争を体験し、誰よりも平和を希求していた大田元知事。生前、公明党の平和行政推進に期待を込め、こう語った。「日本の政党のうち、本気で平和運動に取り組んできたのは公明党です」(『第三文明』2013年1月号)。あすから8月。今年も72年目の終戦の日が巡ってくる。平和な世界の実現へ、公明党が先頭に立って闘うと誓いを新たにしたい。(治)

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