e3世代同居・近居へ支援
- 2017.08.03
- 生活/子育ての補助金・助成金
公明新聞:2017年8月3日(木)付
住居取得 30万円補助
中古の場合や多子世帯に加算も
公明が推進
茨城・高萩市
茨城県高萩市は7月24日から、親、子、孫の3世代が同居したり、近くで暮らすための住宅を取得する際に費用の一部を補助する事業について、申請の受け付けを開始した。定住人口の増加が期待されるほか、同居・近居で子育てや介護を助け合うことによって家族の絆を深めるきっかけにつながる制度として注目されている。
今年度創設されたこの制度は、3世代が同居もしくは親と子どもの住宅がおおむね2キロ圏内にある世帯のほか、18歳未満の子どもが3人以上いる多子世帯も対象で、30万円を補助する。
さらに、中古住宅を取得した場合や、3世代同居等世帯かつ多子世帯に10万円を加算。18歳未満の子どもが4人以上いる世帯には1人に付き10万円を加算する。ただし、加算額の上限は20万円となっている。
今年度の予算額は420万円。市によると、先着順で10~14世帯が補助を受けられる見込みだ。市は広報誌で補助事業を紹介するとともに、PRチラシ(申請書類をダウンロードできる市ホームページのQRコード付き)を作成し、市民に周知を図っている。
1日までに5件の申請があり、市地方創生課の鈴木紀子課長は「進学や就職で転出した人たちが、結婚などを機に故郷の高萩に戻りやすいようにサポートしていきたい」と語っていた。
すでに補助を申請したという割ケ谷大さん(31)、明子さん(30)夫妻は、市内で2人の子どもを育てている。現在、明子さんの実家から徒歩10分ほどの大さんの実家に同居。共働きで双方の実家に子育てを協力してもらう一方、明子さんは父親が担う母親の介護を手伝っている。
大さんは、同市から車で1時間以上かかる茨城県つくば市へ通勤。市外への転出も考えたが、子育てや親の介護を考慮し、明子さんの実家近くに住宅を新築することに決めた。
新居は今年11月には完成する予定で、明子さんは「家を建てるには何かとお金がかかるので、補助してくれるのは助かります」と話す。明子さんの両親は「近くに住んでくれるとは思っていなかった。とてもうれしい」と喜んでいた。
市議会公明党は2015年12月定例会で、子育てや介護を助け合える3世代同居・近居のメリットを踏まえ、そのための住居購入を支援するよう求めていた。