eGDP年4%増 内需主導の成長を定着させよ

  • 2017.08.17
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年8月17日(木)付



市場の予想を上回る高い成長を記録した。

内閣府が発表した2017年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、このペースが1年間続くと仮定した年率換算で4.0%増だった。

15年1~3月期(4.8%増)以来の高い伸びとなったのは、個人消費と民間の設備投資が堅調に拡大したことが大きい。個人消費が伸びた要因は、外食、レジャー産業とともに、自動車やエアコンなどの白物家電の買い替えが活気づいたからだ。

設備投資も2.4%増と好調で、設備の更新や人手不足に対応した省力化投資が寄与したとみられる。

さらに公明党の主張が随所に盛り込まれた16年度第2次補正予算の執行が本格化し、公共投資の効果が表れてきた面も見逃せない。

4~6月期は、生活実感に近い名目成長率が実質成長率をわずかながら上回った。日本経済がデフレ脱却に向けて着実に歩んでいるのは間違いないだろう。

久しぶりに消費と設備投資という内需の二枚看板が景気回復を主導する格好となったが、今後はこの姿をどう定着させるかだ。

まずは賃上げである。

厚生労働省の中央最低賃金審議会は先月、2017年度の最低賃金の引き上げ幅の目安を全国平均で25円とすることを決めた。上げ幅は前年と同水準となり2年連続で過去最大となる。高水準の引き上げにより、雇用者全体の4割を占める非正規労働者の待遇改善が進み、家計を潤すことが期待できる。企業は着実に引き上げてもらいたい。

一方、今後も長雨が続けば野菜などが全般的に値上がりする可能性がある。せっかく盛り上がりの兆しが出てきた個人消費に水を差しかねないだけに、農産物への影響にしっかり目配せが必要だ。

人工知能など第4次産業革命と呼ばれる分野では、国際的な競争が激しさを増している。日本企業は、こうした分野に積極的に資金を振り向けて、優位な立場に立ってほしい。政府も、新しい産業を育成するための成長戦略や構造改革を大胆に打ち出し、企業が新分野に進出しやすい仕組みや環境づくりを進めるべきである。

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