eデート商法など規制へ
- 2017.08.21
- 情勢/解説
公明新聞:2017年8月21日(月)付
恋愛感情を利用したり、不安をあおって結ばせた契約の取り消しが可能になるように、消費者委員会が法改正を答申。
Q 契約を取るために恋愛関係まで作り上げる―いわゆるデート商法の被害者が後を絶たないと聞いた。
A 国民生活センターに寄せられたデート商法に関するトラブルの相談は、毎年、500件前後になるそうだ。
こうした消費者被害の対策について検討を続けてきた内閣府・消費者委員会の消費者契約法専門調査会が4日に公表した報告書には、その参考事例が載っている。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の婚活サイトで知り合った女性に対し、「2人の将来」の話を出しながら投資用マンションの契約をさせたという内容だ。
「将来」への期待もあって、合理的な判断をすることができない事情につけこまれて結んだ契約を、被害者が後で取り消したくても、現在の消費者契約法ではできない。
Q 報告書はどのような法改正を求めているのか?
A 現在の消費者契約法では、長時間居座って契約を迫るような不適切な勧誘によって結ばれた契約は取り消しができる。この不適切な勧誘の中にデート商法も含ませることを求めている。
Q 合理的な判断をすることができない事例はデート商法だけではないと思うが。
A 報告書は不安商法による契約も取り上げている。例えば、就職活動中の学生を就職セミナーに誘い、そこで「あなたは一生成功しない」などと不安をあおって就活の有料講座の受講契約をさせるといった場合も、取り消しを可能にするよう提言している。
合理的判断とは別分野だが、消費者に心理的負担を抱かせて結んだ契約も取り消し可能にする。ガソリンスタンドで「オイルが少ない」と言われ勝手にオイル交換をされた場合だ。支払いを拒否したくても話がもめるのが嫌なので従ってしまう。
Q いつ実現するのか?
A 今秋の臨時国会への改正案提出も検討されている。