e夏休み明けがつらい君へ
- 2017.08.23
- 情勢/解説
公明新聞:2017年8月23日(水)付
居場所・相談先あるよ
自殺防止でネット発信 「学校は休んでもいい」
多くの学校で2学期が始まる9月1日は、1年間で18歳以下の自殺が最も多い。
この事態を変えようと、全国のフリースクールなど約100団体が加盟するNPO法人フリースクール全国ネットワークは今月から、いじめや人間関係などで学校に行きづらい子どもが駆け込める居場所をホームページ(HP)上で紹介。心の状態をチェックできるサイトの作成や全国各地での啓発活動にも取り組む。
これらの対策は昨年12月、公明党などの推進で成立した教育機会確保法で示された、学校外の多様な学びの場の提供を進める理念を踏まえたもの。
HPでの情報提供は、居場所を無料開放したり、電話やメールで相談に乗るフリースクールなどを掲載。併せて、不登校経験者が「つらければ学校を休んでいい」と伝える動画なども紹介している。
一方、今月下旬に公開予定のサイトでは、子どもが心のつらさを自分でチェックできるほか、18歳までを対象とする電話相談「チャイルドライン」などの相談先も案内するという。
全国10カ所で親子向けのキャラバン
このほか同ネットワークは、子どもの自殺を防ぐための「全国キャラバン」を今年度中に全国10カ所で実施する。1回目は今月25日に長崎市で、小学生とその保護者を主な対象として開催。いじめのない友だち関係づくりをめざした寸劇や、子どもの自己肯定感を高めるためのワークショップ、教育機会確保法の周知などを行う。
キャラバンは福島、千葉、東京、兵庫、広島、香川などの各都県でも開催予定だ。
教育機会確保法 「活動の後ろ盾」
フリースクール全国ネットワーク 中村尊理事
教育機会確保法には「学校がどうしてもつらかったら休むことも必要だよ」「学校以外での学びの機会も保障されているよ」ということが明記されている。学校が要因の自殺を防ぐ活動の後ろ盾となるもので、保護者にも子どもたちにも周知することが自殺予防にとって欠かせない。一人でも多くの子どもの命を守るため、今年もさまざまな活動に取り組んでいく。
■フリースクール全国ネットワークHP
【学校がつらくてもココがあるよ!プロジェクト】
http://freeschoolnetwork.jp/p-etc/2915
■全国キャラバン 問い合わせ先
同ネットワーク事務局(電話番号03-5924-0525)
■長崎でのキャラバン 問い合わせ先
フリースクール「クレイン・ハーバー」(電話番号095-844-8899)