e議員力アップ 私の実践

  • 2017.08.28
  • エンターテイメント/情報

公明新聞:2017年8月26日(土)付



住民目線で条例制定
神奈川・党鎌倉市議団



地域の課題解決に向けて条例を制定することは、地方議員の重要な役割の一つだ。条例制定には、議員個人の「政策力」だけではなく、議会での合意づくりなど会派としての総合力も問われる。今回は、公明議員が中心となって条例を実現した事例を紹介する。


自転車の安全利用リード 市が総合計画策定し対策 事故件数、着実に減少


事故死ゼロを継続


神奈川県鎌倉市で2012年4月、自転車安全利用促進条例が施行された。同条例に基づき、市は総合推進計画を策定。交通ルールの周知や自転車損害保険の加入促進、道路標示の施工など安全対策が進む。

以来、市内の自転車の交通事故件数は着実に減少、事故死ゼロも継続中だ。同条例制定に当たっては、市議会の中で公明議員らが積極的に取り組んできた。


政策研究会が発足

「市の課題を議会で独自に研究し、住民目線の政策を実現していこう」―。同市議会では10年、公明党市議団(大石和久団長)の納所輝次議員らが中心となり、有志による政策法務研究会を立ち上げた。

研究会には、全議員28人中17人が参加。地道に研さんを重ねた結果、公明党の西岡幸子議員が問題提起していた自転車の安全利用に向けた環境整備を取り上げることを決めた。

三方を山に囲まれた鎌倉市は、坂道や道幅の狭い市道が多く、専用レーンの整備が難しい。また、年間2129万人も訪れる観光客との接触事故を防ぐ上でも、市民への交通ルール徹底が課題として浮き彫りとなったからだ。


合意形成に力注ぐ

そこで研究会は、専門家との意見交換や、先進地の視察などを実施。実効性のある対策が必要だと考え、条例作りに着手した。同時並行で、公明党市議団としても議論を重ねた。

納所議員は当時を振り返り、条例作りで一番の課題となったのは、「議会全体の合意形成や行政側の理解を得ることだった」と語る。このため、納所議員は議会事務局も含めたメーリングリストを利用するなど、常に全体で情報共有できるよう発信を続けた。

こうした取り組みが実を結び、12年2月定例会に、西岡議員を筆頭にした12人の議員提案による自転車安全利用促進条例案を提出。全会一致で可決・成立した。


福祉、教育の分野でも


ユニバーサル就労

静岡・富士市

静岡県富士市では今年4月、障がい者らの就労を進めるユニバーサル就労推進条例が施行された。

同条例の制定を後押ししたのは、党静岡県議団の早川育子議員。障がい者の就労支援に取り組む中で、「ユニバーサル就労の機運を高める必要がある」と痛感し、その運動母体となる市民団体の設立に力を尽くした。さらに、地元・富士市の公明議員と連携したところ、市議会で超党派議員連盟が結成されるなどして、条例制定の動きとなり、今回の成立に至った。


基礎的な学力保障
北海道・釧路市

北海道釧路市では13年1月に基礎学力保障条例が施行されている。同条例は、小中学生の基礎的な学力を保障するため、学校での授業の進行度を保護者に説明することなどが求められている。

市議会公明党の月田光明議員が同条例の制定をリードするきっかけとなったのは、長男(当時、中学1年生)が通う中学校のテスト結果。学年平均点の低さに驚いたという。同議員は、市議会に超党派の議員連盟を立ち上げ、代表として条例制定を導いた。

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