eコラム「北斗七星」
- 2017.08.30
- 情勢/社会
公明新聞：2017年8月30日（水）付
ドンと打ち上げられた花火が真っ白な大輪を咲かせる。毎年8月に行われる新潟県長岡市の大花火大会の象徴となっている「白菊」だ。先日、テレビで観賞し、心に残った。シベリア抑留の体験を持つ花火師が、亡くなった戦友に手向ける花火として作ったのが始まりだという。「白菊」に込めた鎮魂の思いに胸打たれた◆その花火師は1989年、名古屋市で開催された世界デザイン会議に招かれ、シンポジウムで花火について「安全で、その時代に適合した、夢のあるものを演出していきたい」と語った。この発言記録を読み、花火も見る人に心を尽くすデザインの一つと気付かされた◆今、普及が求められているのは、あらゆる人が利用できるように工夫した製品や生活空間などの設計を意味するユニバーサルデザイン（UD）。昨年12月に名古屋市でUDの国際会議が開かれ、車イスのまま乗車できる次世代タクシーなどの展示が注目を集めた◆開会式で公明党市議団の代表が歓迎のあいさつを務めた。同市議団がUDの重要性を訴え、行政に施策を提言したことが主催者に評価された。先月、この主催者が東京で行ったセミナーでも同代表が活動報告。UDが当たり前となる都市をめざすと述べた◆将来を見据えた政策提言こそ誰もが快適に暮らせる社会を前進させる。（典）
