e北朝鮮ミサイル日本通過

  • 2017.08.30
  • 情勢/国際
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公明新聞:2017年8月30日(水)付



北海道上空 太平洋に落下
事前通告なし 日米、圧力強化で一致
首相「深刻かつ重大な脅威」



北朝鮮は29日午前6時前、弾道ミサイル1発を発射した。日韓両政府などによると、ミサイルは北海道の渡島半島上空を通過し、襟裳岬東方約1180キロの太平洋上に落下した。北朝鮮のミサイルが日本上空を通過したのは2016年2月以来。日本政府は外交ルートを通じて北朝鮮に厳重に抗議した。

発射を受け安倍晋三首相は、首相官邸で記者団に「これまでにない深刻かつ重大な脅威であり、地域の平和と安全を著しく損なうものだ」と述べ、厳しく非難した。

首相はトランプ米大統領と約40分間電話で会談し、北朝鮮に対し圧力を強化していくことで一致。トランプ氏は「米国は同盟国である日本と100%共にある」と伝えた。

日本政府の説明によると、午前5時58分、平壌近郊の順安から1発の弾道ミサイルが発射され、6時12分に襟裳岬東方の太平洋上の排他的経済水域(EEZ)外に落下した。ミサイルは日本海上空で三つに分離した可能性がある。日本領域には落下しておらず、航空機や船舶への被害も確認されていない。自衛隊は破壊措置を実施しなかった。

韓国軍によると、北朝鮮が発射したミサイルの飛行距離は約2700キロと推定され、最高高度約550キロに達したとみられる。

小野寺五典防衛相は、通常より高い高度に打ち上げるロフテッド軌道ではなく、北朝鮮から発射通告はなかったと説明。5月に発射された新型中距離弾道ミサイル「火星12」の可能性があるとの見方を示した。

ミサイル発射の情報を受け、日本政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)を作動させ、自治体などを通じて国民に注意喚起した。また、国家安全保障会議(NSC)を官邸で2度開き、警戒の継続と国民への迅速な情報提供に努めることを確認した。

北朝鮮の弾道ミサイルは、1998年8月と09年4月に東北地方上空を通過し、太平洋上に落下。12年12月と16年2月には、沖縄県上空を通過している。



緊張感を持ち万全に


井上幹事長 政府・与党一体で対応 党対策本部が緊急会合


公明党北朝鮮問題対策本部(本部長=井上義久幹事長)は29日午後、衆院第2議員会館で緊急会合を開き、北朝鮮の弾道ミサイル発射について、政府から説明を受けるとともに、緊張感を持って万全の対応を取るよう求めた。

冒頭、井上幹事長は「日本の領土を越えるという、これまでにない緊急事態であり、フェーズ(局面)が変わってきた」と強調。衆院安全保障委員会などを緊急で開いた上、「与野党が合意できれば(北朝鮮への抗議を)決議したい。政府・与党一体となって対策を進めなければならない」との考えを示した。

対応を説明した政府側は、北朝鮮が事前通告をせず、日本の領土上空を通過するミサイルを発射したことは、「断じて容認できない」と非難した。

出席議員からは、全国瞬時警報システム(Jアラート)の運用など、国民への情報提供に不備がなかったか調査が必要などの声が上がった。


衆参委 きょう非難決議


北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、与野党は29日、国会内で国会対策委員長会談を開き、30日に衆院安全保障委員会の閉会中審査を行い、北朝鮮に対する非難決議を採択することを決めた。席上、公明党の大口善徳国対委員長は、今回のミサイル発射に対し、「早急に委員会を開き、国民と情報を共有し、抗議の意思を明確にすべきだ」と訴えた。

これに先立ち、自民・二階俊博、公明・井上義久の両党幹事長は国会内で会談し、衆参両院で閉会中審査を行う方針で一致した。

参院の閉会中審査も30日に外交防衛委員会で行われ、非難決議が採択される予定。

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