e北ミサイルに抗議決議
- 2017.08.31
- 情勢/国際
公明新聞:2017年8月31日(木)付
日本独自の制裁強化も
佐藤、浜田氏が訴え 核実験阻止へ国際連携を
衆参で閉会中審査
国会は30日、北朝鮮が29日に日本上空を通過する弾道ミサイルを発射したことを受け、衆院安全保障委員会と参院外交防衛委員会で閉会中審査を行い、「これまでにない深刻かつ重大な脅威だ」として、それぞれ厳しく抗議する決議を全会一致で採択した。決議では、北朝鮮に対し「累次の国連安全保障理事会決議などに違反する。断じて容認できない」と非難した上で、安保理決議の順守を強く要求。政府に対しては、安保理決議の厳格な履行を国際社会に働き掛け、日本独自の制裁についても強化すべきだと訴えた。閉会中審査では、公明党から衆院委で佐藤茂樹氏、参院委で浜田昌良氏が質問に立った。
衆参両委員会の冒頭、小野寺五典防衛相は北朝鮮による29日のミサイル発射について報告し、「国民の生命を守るために万全の態勢を取った。米韓と緊密に連携しながら、情報収集、警戒監視に全力を挙げる」と語った。
佐藤氏は、安倍晋三首相が今回のミサイル発射を「これまでにない深刻かつ重大な脅威」との認識を示した理由について、政府の見解を求めた。
小野寺防衛相は「北朝鮮は日本を飛び越えた過去の発射事案を人工衛星の発射実験としていたが、今回は弾道ミサイルと明確に言っている」と指摘。昨年だけでも20発以上の弾道ミサイルを発射し、今年も核・ミサイルの開発を継続する姿勢を崩していないことなどから、「これまでにない深刻かつ重大な脅威であることは、日本だけでなく国際社会が共通して持つ認識だ」と述べた。
また佐藤氏は、全国瞬時警報システム「Jアラート」に関連するトラブルが一部自治体で生じたことについて、「原因を究明して再発防止策を早急に検討し、緊急事態への備えに万全を期してほしい」と訴えた。
総務省消防庁の杉本達治国民保護・防災部長は、「さまざまな観点から対策に努める」と答えた。
一方、浜田氏は、北朝鮮が近く核実験を実施する準備があるとの報道に触れ、「米国、韓国、中国、ロシアと連携して、核実験を許さないという明確なメッセージを出すため、あらゆる外交努力をすべきだ」と力説した。
佐藤正久外務副大臣は「核実験の阻止に向けて各国と連携を取り、対応していく」と語った。