e超党派議連 訪中団団長として

  • 2017.09.07
  • 政治/国会

公明新聞:2017年9月7日(木)付



対北、解決へ協力を確認
急成長する地方都市も視察
中国要人と意見交換
公明議員手記  遠山清彦 衆院議員



5年前に発足した超党派の若手議員連盟「日中次世代交流委員会」は、「日中関係がいかなる状況にあろうとも、毎年必ず中国を訪問し、視察と率直な意見交換をする」ことを旨としている。国交正常化45周年の今年も、8月27日から5日間、国会議員10人で重慶、西安、北京を訪問。中国共産党対外連絡部の宋濤部長ら要人と会談した。公明党から私のほか、伊佐進一、濱地雅一両衆院議員が参加した。以下、団長として概略を報告したい。

この訪中の間、北朝鮮が日本上空を通過する弾道ミサイルを発射したため、30日の北京での要人との会談は全て、この暴挙を取り上げた。うち一人は孔鉉佑・中国外交部部長助理兼北朝鮮特使であり、北朝鮮問題に対する中国側の考えを詳しく聞くことができた。

会談時点での中国側の主張は、(1)北朝鮮の核実験と弾道ミサイル発射に一貫して反対、国連安保理決議の履行も厳格に行う立場(2)中国との国境からわずか90キロメートルの場所で核実験が行われており、日本と危機感を共有(3)圧力を強めることは賛成だが、圧力だけでは解決しないので、対話をしっかりすることが重要―の3点に集約される。

私からは、日本が軍事的解決を望まないことを伝えながら、北朝鮮が累次の安保理決議に違反していることから、それらに基づく制裁=圧力をより実効性あるものにする必要性を指摘。対話路線を採る場合、北朝鮮が約束を守る保証を担保しなければならないと主張した。その他の論点でも若干の意見の相違はあったが、北朝鮮問題の抜本解決のために日中で協力する方向性を確認できたことは、大きな成果だった。

世界第2位の経済大国に成長した中国だが、その全体像は地方都市も見なければ分からない。視察した重慶と西安の両市は長い歴史を持つ古都だが、欧州や中央アジアとの鉄道網が整備され、「一帯一路」プロジェクトの拠点として急成長していることを確認した。

中国内陸の南西部は、農村地域を中心に貧困問題が深刻だったが、この3年間で大きく改善。重慶市は、インフラ整備から奨学金・職業訓練支援などの総合的対策を推進し、165.9万人の絶対貧困者を30.3万人まで減らす実績を上げていた。今後、社会保障分野での日中協力の余地は非常に大きいと実感した。

日中次世代交流委員会も5年連続で訪中する歴史を刻んだ。日中の平和・協力・友好を強固にすることは、両国のみならずアジア太平洋地域や世界全体の平和と安定に貢献する道だとの信念で、これからも努力を重ねたい。

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