eコラム「北斗七星」

  • 2017.09.08
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年9月8日(金)付



日本を訪れる外国人は右肩上がりに増えている。今年上半期は、昨年の同時期に比べ17%増の約1375万人に上った。年間3000万人の大台が近づく。訪日客による上半期の旅行消費額も、半期としては初めて2兆円を超えた◆観光庁が発表した今年4―6月期の訪日外国人消費動向調査によると、一人当たりの旅行支出額で近年トップを独走していた中国をイギリスとイタリアが抜いた。フランスやスペインも中国に迫る勢いだ◆これら欧州各国からの訪日客には共通点がある。宿泊や飲食、娯楽サービスに使う割合が旅行費用の約7割を占めることだ。買い物が6割の中国とは対照的で、体験重視型の傾向が強い。「モノ消費」から「コト消費」への流れをリードしている◆政府も対応を急ぐ。日本人の日常生活に近い体験ができる「民泊」のルールを定めた法律が6月に成立し、来年施行される予定だ。国宝などの文化財をより多くの観光客が鑑賞できるよう公開基準の緩和も検討している◆外国人に人気の観光スポットの一つに広島平和記念資料館がある。昨年度の外国人入館者は36万人を超え過去最多を記録した。世界的な旅行サイトでも評価が高い。広島や長崎に限らず、平和を希求する日本人の心に、外国人が触れられる場所や機会を増やすことにも努めたい。(幸

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