e家庭訪問し本人の心開く

  • 2017.09.14
  • 生活/生活情報
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公明新聞:2017年9月14日(木)付



今年度中に全市区町村へチーム創設相次ぐ



認知症の人が、病院や施設ではなく地域で安心して暮らせるようにするには、早めの診断と、適切な医療・介護などにつなげていく取り組みがカギを握る。こうした初期対応を担う「認知症初期集中支援チーム」の創設が全国で相次いでいる。

公明党の推進で2015年1月に策定された国家戦略「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」では、今年度中の全市区町村での設置を目標に掲げた。今年3月末までに同チームが設置されたのは、1741ある全市区町村のうち、703。厚生労働省の認知症施策推進室は「今年度中に予定通り全市区町村で設置できる見込みだ」としている。

同チームは、国が13年度にモデル事業を全国14カ所で実施したことを受け、本格的な整備が始まった。認知症の地域医療体制の中核となる「認知症サポート医」のほか、医療・介護の専門職で構成する。認知症が疑われる人を訪問し、状況を把握。かかりつけ医らと連携しながら、医療機関の受診につなげていくなどの取り組みをおおむね6カ月間、集中的に行う。

同チーム設置の本格的な取り組みは始まったばかりで、今後、運営上のノウハウの蓄積や共有が重要だ。政府は今年7月、「好事例の横展開などにより効果的な取り組みの推進」をめざす方針を示している。


家庭訪問し本人の心開く


群馬・前橋市で党推進本部 取り組みの先進例視察


公明党認知症対策推進本部(本部長=古屋範子副代表)は12日、いち早く「認知症初期集中支援チーム」を導入している群馬県前橋市を訪れ、先進的な取り組みを視察した。

前橋市は、2013年度の国のモデル事業に参加し、他に先駆けて同チームを設置。市内に11カ所ある地域包括支援センターなどと連携し、認知症が疑われる人や家族を支援している。「認知症サポート医」に加え、社会福祉士や作業療法士、歯科医師など、幅広い職種の人でチームが構成されているのが特長だ。

古屋本部長らは同チームの拠点で、チームリーダーを務める作業療法士の山口智晴氏と懇談した。山口氏は、認知症が疑われる人について「訪問すると警戒されることが多い」と述べ、支援に入る以前に本人の心を開くことの難しさを強調。各職種の持ち味を生かして会話の糸口をつくり、信頼関係を築いている現状を説明した。

続いて、古屋本部長らは、チーム員会議(1カ月に2回程度開催)を見学。同市の場合、「毎回の会議に行政の担当者が参加し、支援に深く関わっていることが強み」(山口氏)になっており、この日も、チームのメンバーが「Aさんが悪徳商法に何度もだまされている」などと報告し、行政側と対応を相談する場面が見られた。

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