eコラム「北斗七星」
- 2017.09.21
- 情勢/社会
公明新聞:2017年9月21日(木)付
衝撃の事実が明らかになった。広島、長崎に続いて、沖縄が国内3カ所目の被爆地になっていたかもしれない。そんな大惨事の恐れのあった核ミサイル事故。先日の『NHKスペシャル 沖縄と核』(10日放送)で、元米兵の証言として報じられた◆1959年6月19日。米軍那覇飛行場に配備されたミサイルが兵士の操作ミスで発射。爆発しなかったものの、6人が死傷した。元米兵によると、ミサイルには核弾頭が搭載されていたという。「威力は広島に投下された原爆と同じ規模の20キロトン。爆発を起こしていたら那覇が吹き飛んでいただろう」と◆米国統治下であったとはいえ、沖縄に持ち込まれた核が誤発射を起こしていたことになる。地上戦を経験した沖縄で核兵器の犠牲者まで出ていたとしたら......。想像しただけで背筋が凍る◆核兵器は言うまでもなく「絶対悪」である。国連は20日から、核兵器禁止条約への各国の署名手続きを開始。現時点で核保有国や、その同盟国である日本などが加入する見通しは立っていない。核保有国と非核保有国の対立の溝を埋める不断の努力が今こそ必要だ。唯一の被爆国である日本には、それをリードする責務がある◆公明党は「核なき世界」への具体的な歩みを進めていく覚悟だ。3カ所目の被爆地は、絶対に出させない。(治)