e高齢者支援の充実へ

  • 2017.09.26
  • 生活/生活情報
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公明新聞:2017年9月26日(火)付



公明 消費税率10%時の施策、前倒しめざす



全ての人に安心の老後生活を―。高齢者への支援をさらに充実させるため、公明党は「低年金者への加算」と「介護保険料の軽減対象拡大」の早期実施をめざしている。いずれも、2019年10月の消費税率10%への引き上げ時に予定されている施策を前倒しするものだ。


低年金者への加算

月最大5000円を上乗せ


受け取る年金額が少ない高齢者などの生活を支えるため、「低年金者への加算」では、所得が一定の基準を下回る場合の福祉的給付として「年金生活者支援給付金」を年金に上乗せする。対象者の合計は約790万人。

このうち▽世帯全員が市町村民税非課税▽国民年金保険料を40年間納めて受け取れる満額の年金額(17年度で年約78万円)よりも、年金収入とその他の所得の合計額が少ない―などを満たす約500万人の老齢年金受給者には、保険料を納めた期間に応じて恒久的に月最大5000円(年6万円)を支給する。

その上で、所得基準をやや上回る人(約100万人)については、給付金対象者との「所得の逆転」が生じないよう補足的な給付を行う。

一定の所得以下の障害年金・遺族年金受給者(約190万人)にも、月5000円を支給する。障害年金の1級については月6250円が支給される。


介護保険料の軽減拡大

65歳以上の約3割 非課税世帯全てに


65歳以上が納める介護保険料は、所得に応じて負担額が複数の段階に分かれている。しかし、高齢化で介護サービスの利用者が増え、00年度に全国平均で月2911円だった保険料は現在、5514円まで上昇。高齢者にとって重い負担となっている。

そこで「介護保険料の軽減対象拡大」では、特に所得の低い高齢者向けに行っている負担軽減を強化し、併せて対象を、世帯全員が市町村民税非課税(非課税世帯)の高齢者全体に拡大する。軽減対象は、65歳以上の約2割から約3割にまで広がる見通しだ。

現行では「非課税世帯で本人の年金収入などが80万円以下の人」などの保険料負担を基準額の「0.5」から「0.45」へと軽減しているが、拡大後は「0.3」まで引き下げる。

それ以外の非課税世帯は、現行の保険料負担が基準額の「0.75」だが、これを本人の年金収入などが80万~120万円以下であれば「0.5」に、120万円超であれば「0.7」に、それぞれ引き下げる。

なお、この軽減幅は標準の段階設定であり、自治体によって異なる場合がある。


10月13日から支給

受給資格10年への短縮で 無年金者救済


公明党には高齢者支援の確かな実績がある。最近では、公的年金を受け取る資格を得るのに必要な加入期間(受給資格期間)の25年から10年への短縮を実現させた。新たに年金を受け取れるようになる無年金者は約64万人。手続きをした対象者には、10月13日から年金の支払いが開始される。

これにより、年金を「一生もらえない」はずだった人が「一生もらえる」ようになるだけでなく、将来にわたって無年金となる人が大幅に減る効果も期待されている。

受給資格期間の短縮も、もともとは消費税率10%への引き上げと同時に実施される予定だった。しかし昨年、引き上げが延期されることになったため、公明党は、賃上げなど経済政策の効果が及びにくい低所得の高齢者などへの支援は急務だと主張。受給資格期間短縮の前倒し実施を強く訴え、政府の決断を促した。

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