e日中国交正常化45周年 未来志向の関係築く努力さらに

  • 2017.09.28
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年9月28日(木)付



未来志向の関係構築に努める姿勢こそ、両国はもとより国際社会にとっても重要であることを改めて確認したい。

1972年9月29日、「これまでの不正常な状態は、この共同宣言が発出される日に終了する」との共同声明が、訪中した田中角栄首相と周恩来総理との間で調印された。

日中間で戦後四半世紀も続いた冬の時代に終止符が打たれ、国交が正常化した記念すべき日から、あすで45周年を迎える。この間、両国関係は政治、経済、文化などあらゆる面で大きく発展した。

急増する訪日外国人の主役は中国からの旅行者である。先月には、1カ月間の訪日中国人が初めて80万人を突破した。国交正常化の前は人の往来がままならなかったのだから隔世の感がある。国交回復の橋渡し役を担った公明党としても感無量である。

党創立者の池田大作創価学会会長(現名誉会長)が68年9月、日中国交正常化提言を発表したことを受け、公明党は69年1月に「日中国交正常化のための方途」と題する対中国政策を打ち出した。

その後、特に71年6月から72年7月にかけて3次にわたる訪中団を派遣。中国側との間で確認された合意事項が下敷きとなり、共同声明の調印に至ったことは歴史的事実である。以来、両国は互恵関係を着実に深めてきた。

さまざまな摩擦もあった。とりわけ歴史認識や領土問題は両国関係の悪化を招く火種となっている。信頼に基づく相互依存の関係こそが両国共通の利益であるとの大局観に立つことを忘れまい。

この点、「日中与党交流協議会」が先月、約1年8カ月ぶりに開催されたことを歓迎したい。同協議会では、国交正常化の初心を忘れず、歴史を直視しつつ、未来志向で平和的発展の道を堅持することを確認する共同提言が取りまとめられた。

中国と日本は、それぞれ世界第2位、3位の経済大国であり、欧米で保護主義が台頭する中、自由貿易の重要性を共に認識している。国際的に重大な課題となっている北朝鮮の核・ミサイル問題にも直面している。世界経済や国際安全保障に果たすべき責任を共有し、関係発展に力を合わせなければならない。

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