eひとり親や困窮家庭の中学生に"消防署"で学習支援

  • 2017.10.03
  • 生活/生活情報

公明新聞:2017年10月3日(火)付



全国初 定員増に対応、交通も便利
サポート手厚く事業は大好評
名古屋市



名古屋市は今年度、ひとり親や生活困窮家庭などの中学生を対象とした学習支援に、消防署の会議室を使用するという全国初の試みを始めている。公明党の馬場規子市議が議会で提案し、実現。消防署は市の全16区に一つずつあり、ほとんどが交通の便利な場所にある。また出動待機の職員らが常に近くにいるため、子どもや保護者らにとって安心だ。

消防署の会議室などを活用した学習支援は、定員が1会場当たり12人で、開催は週1~2回。夜2時間学ぶ。現場を担うのは市から委託を受けたNPO法人などの団体。各会場では大学生ら4人が学習サポーター(有償ボランティア)を務め、子ども3人にサポーター1人が就く手厚い態勢だ。運営責任者も1人配置する。

この事業は、公明党の福田誠治市議が2012年9月の定例会質問で自身の経験を踏まえて必要性を訴えたことがきっかけで実現。生活保護世帯などの中学3年生を対象に13年度から、ひとり親世帯の中学1年生を対象に14年度から開始し、対象学年を広げてきた。

学習支援のニーズは高く、昨年度は定員に対し、倍近くの応募があった。公明党は希望者全員が受講できるよう要請。市は受け入れ人数を拡大し対応したが、それでも319人が受講できなかった。


公明市議の提案が実現


馬場市議は昨年、学習支援の場を回り、受託事業者と懇談。不登校児の復学など学習支援の成果を聞く一方、実施場所を探すのに苦労していることを知った。そこで昨年11月の定例会で消防署の会議室などを使うことを提案した。

これを市側が採用。今年度、全16消防署のうち14消防署を会場にし、残る2消防署は改修終了後に使用することになった。このほか、大型スーパー、特別養護老人ホーム、大学も新会場に加え、従来使用していた児童館やコミュニティーセンターの会場数も増やした。

この結果、今年度は前年度に比べ会場数が68カ所→143カ所、定員が816人→1716人とそれぞれ倍増。参加者数は925人→1435人と5割以上増えた。

昭和消防署の学習支援会場で運営責任者を務める梅村久男さん(元小学校校長)は「ここは家庭教師が付き添う自習室。お預かりしている以上は、子どもたちに学力を付けたいと思って、学校の成績も気にしている」と意気込みを語る。同会場で勉強に励む参加者の一人、中学1年生の女子は「先生が優しく教えてくれる。楽しい」と喜んでいる。

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