e北朝鮮問題

  • 2017.10.04
  • 情勢/国際

公明新聞:2017年10月4日(水)付



共産、経済制裁過去に反対
志位委員長「リアルな危険ない」で失笑買う



今回の衆院選は、核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応が争点になっています。その中で、日本共産党は北朝鮮に対し、「国際社会の一致した意思を踏みにじって、核実験と弾道ミサイル発射を行っていることは、もとより絶対に許すわけにはまいりません」(9月28日、志位和夫委員長の街頭演説)などと糾弾していますが、違和感を覚える人も少なくないでしょう。

同党には、北朝鮮を"擁護"したり、同国の脅威を"看過"するかのような姿勢を取ってきた過去があるからです。

今でこそ、志位委員長は「問題の解決の唯一の道は、経済制裁の強化と一体に『対話と交渉による解決』の努力をはかること」(9月21日の同党会合)と述べています。しかし、共産党は、経済制裁や国会による抗議決議に明確に反対してきたのです。

2004年2月に成立した日本独自の北朝鮮への経済制裁を可能にする改正外国為替・外国貿易法(外為法)の採決で、共産党は主要政党で唯一、反対しました。同年6月成立の北朝鮮船舶を想定した特定船舶入港禁止法にも反対。07、08年には、こうした制裁の延長にも反対しました。

また、09年の北朝鮮のミサイル発射に抗議する国会決議に対し、共産党は「根拠なく『ミサイル発射』と断定すべきでない」(09年4月8日付「しんぶん赤旗」)という信じがたい見解を示して反対しました。

それだけではありません。志位委員長自ら、北朝鮮の脅威を甘く見て、看過するかのような発言もしました。15年11月のテレビ番組で、志位委員長は平和安全法制の不要論を訴える中で「北朝鮮にリアルな危険はない」と現実を直視しない無責任な発言を行い、国内外から失笑を買いました。

しかし、この発言から2年足らずの間に、北朝鮮は核実験を3回、弾道ミサイルは39発も発射。このうち、最近では、2発が日本上空を横切る暴挙に踏み切りました。

共産党の北朝鮮への認識の甘さ、日本の安全への無責任さは厳しく問われるべきです。



朝鮮労働党 元々は"兄弟党"


拉致問題の棚上げ発言も

日本共産党の北朝鮮への"甘さ"は何に由来するのでしょうか。

実は日本共産党と北朝鮮の朝鮮労働党は、もともとは"兄弟党"だった過去があります。1983年以降、関係は断絶しましたが、それまでは朝鮮労働党の会合で共産党の最高幹部が「熱烈な兄弟のあいさつ」を行い「たがいに支持しあい、戦闘的な友情によって深く結ばれているマルクス・レーニン主義の党」と述べたほどでした。

こうした中で、共産党は、59年から始まった在日朝鮮人ら(日本人配偶者を含む)の北朝鮮への帰国事業を強力に推進。北朝鮮を「地上の楽園」と賛美して帰国熱をあおり、結果的に9万人以上の人を「凍土の地獄」に送り込んだのです。

"兄弟"のつながりは、断ち切れないようで、98年に中国共産党との正常化を果たした当時の不破哲三委員長は「次は朝鮮労働党との関係正常化を模索していた」「北朝鮮との関係正常化に前のめりになった」(4月26日付「夕刊フジ」 元共産党政策委員長の筆坂秀世氏)とされています。

その不破氏は2000年10月の国会党首討論で「拉致という問題は国家犯罪であり、相手の国が国際犯罪を犯したと告発をするわけだから、よほどの足場を固めていないと問題提起できない」と、北朝鮮の側に立つかのような発言を行い、拉致問題の解明を"棚上げ"するよう政府に求めたのです。

また、本年9月の国連総会でトランプ米大統領が、日本人拉致被害者の横田めぐみさんを念頭に北朝鮮による拉致を糾弾し、大きな注目を集めましたが、なぜか機関紙「赤旗」は触れずじまい。何か理由でもあるのでしょうか

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