e米大統領初来日へ 東アジアの安定進める契機に

  • 2017.10.04
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年10月4日(水)付



東アジアの平和と安定に大きく貢献する歴訪となることを期待したい。

トランプ米大統領が11月3日から14日にかけて、日本、韓国、中国などアジア諸国を歴訪することが正式に決まった。同大統領のアジア歴訪は、就任後初めてである。

歴訪の目的について米ホワイトハウスは、北朝鮮の核・ミサイル開発で緊張が高まるアジア地域で、米国の関与を明確に示し、朝鮮半島の非核化に向けた国際的な決意を強化するためとしている。

日米の揺るぎない同盟関係をここで改めて示し、北朝鮮の挑発行為には屈しないとの態度を表明すべきだ。

北朝鮮は、8月に北海道上空を通過する弾道ミサイルを発射し、さらに6回目となる核実験を強行した。「水爆」と主張する核実験の爆発規模は回を追う度に威力を増しており、見過ごすことはもはやできない。

まずは、先の国連安全保障理事会で採択された北朝鮮に対する制裁決議を、関係国が着実に履行することが重要だ。トランプ大統領は今回、北朝鮮に大きな影響力を持つ中国も訪れる。北朝鮮を対話のテーブルに着かせるには、圧力強化で米中が一致することが欠かせない。

アジア歴訪のもう一つの目的は、トランプ大統領が重要課題の一つにしている米国の貿易赤字の是正だ。対日貿易赤字の削減も強く要求するとみられる。

だが、自動車をはじめ多くの日本企業が、米国国内に工場を抱え、80万人規模の雇用創出に貢献していることはあまり理解されていないのではないか。

日本企業がいかに米国経済に寄与しているかを丁寧に説明し、互恵的な関係の構築をめざす必要がある。

加えて、日米首脳会談で取り上げてほしいのが、北朝鮮による拉致問題の解決に向けた協力関係の強化だ。拉致問題の解決を盛り込んだ2002年の日朝平壌宣言の署名から15年がたったが、被害者の全員帰国は滞ったままだ。

米国の歴代政権の中で、トランプ大統領は拉致問題に対する関心が高いことで知られる。訪日を契機に被害者の帰国に向けた取り組みを加速してほしい。

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