e景気回復 政治の安定で好循環さらに
- 2017.10.16
- 情勢/解説
公明新聞:2017年10月14日(土)付
日本経済の再生には、政治の安定と一貫性のある取り組みこそ重要である。
13日の東京株式市場は、日経平均株価が2万1000円台を回復、1996年11月以来、約21年ぶりの高値水準を記録した。デフレ脱却への足取りは力強い。
10日に内閣府が発表した9月の景気ウオッチャー調査(街角景気)、日銀が全国9地域の景気情勢をまとめた「地域経済報告」(さくらリポート)でも景気の改善を示す結果が相次いでいる。
2012年12月に自公両党が政権を奪還して以来、経済再生が着実に進んできたことは明らかだ。ベースアップは4年連続で実施され、最低賃金は4年間に1割増えた。雇用も大幅に改善している。「政府の政策がいかに正しかったかの証明」(野口旭・専修大学教授=9月28日付本紙)にほかならない。
しかし、国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費は、上向きつつあるとはいえ、いまひとつ勢いがない。
この課題にどう取り組むか。最も有効な対策は一層の賃上げであろう。
公明党は衆院選重点政策で、「賃金・可処分所得の引き上げ」「同一労働・同一賃金の実現による非正規労働者の賃上げ」を掲げている。国民の所得アップで経済の好循環を強めたい。
賃上げを具体的に進める仕組みも明示している。行政、労働者、使用者それぞれの代表による「地方版政労使会議」の活用だ。同会議は公明党の主張で各都道府県に設置され、既に労働者の待遇改善などで成果を挙げている。
これらの施策を実現するには、自公連立政権による政治の安定が大前提であり、衆院選での公明党の勝利が欠かせない。
一方、野党側の主張には首をかしげざるを得ない。
例えば、希望の党や立憲民主党は、消費税率の引き上げは見送るとしているが、膨らむ一方の社会保障の財源をどう確保するのか。この点で野党の主張は具体性を欠く。国民の将来不安が解消されなければ、消費拡大は望めない。
財源の裏付けなき政策は絵に描いた餅にすぎず、経済再生どころか経済の混乱を招くだけである。