eコラム「北斗七星」

  • 2017.10.18
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年10月18日(水)付



「今の状況は、試合後半で相手にリードを許しているような感じです。でも、平尾さんはそこから何度も逆転しましたよね」。ラグビー界のレジェンド・平尾誠二氏が胆管がんを告知されたとき、親友の山中伸弥・京都大学教授が励ました◆教授は必死に治療法を探り、平尾氏は懸命に生きた。余命3カ月の窮地から逆転劇を演じながらの1年余の闘病生活は「ワンプレーが結果を左右する極限状態の試合を、彼と一緒に闘っているような感じでした」(山中教授)。今月発刊された教授と平尾夫妻の共著にある◆1964年の今月は、東京五輪で競泳の木原光知子さんが注目を集めていた。彼女の著書をめくると、自身のスイミングクラブで泳ぐ60代の女性の話が。試合本番で初めて「飛び込み」にチャレンジしたその女性は、「飛び込みができたっていうだけで、もう嬉しくて」と大満足だったと◆水泳を通して挑戦する喜びを伝えてきた木原さんが逝ったのは、10年前のきょうだった。常に全力疾走で夢をくれた平尾氏が旅立ったのも、1年前の今月のこと◆心に残る2人の笑顔、雄姿は今も私たちに勇気をくれる。衆院選の投票日まで4日。公明候補は当落線上でしのぎを削り、党員、支持者も必死だ。最後の"ワンプレー"が逆転勝利のカギを握る。支持拡大の現場へ飛び込もう。(三)

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