e夜景の魅力 世界に
- 2017.10.27
- 情勢/経済
公明新聞:2017年10月27日(金)付
香港、モナコと並ぶ 新三大都市認定から5年
ライトアップなど 景観の保全・活用を推進
官民一体で観光客増加
長崎市
長崎の夜景が香港、モナコと並ぶ「世界新三大夜景」に民間団体から認定され、今月5日で5周年を迎えた。長崎市は、今年度から国の「景観まちづくり刷新支援事業」のモデル地区に九州で唯一、指定され、観光資源を生かした地域活性化の取り組みを進めている。このほど、市内全景を一望できる稲佐山山頂展望台(同市稲佐町)で行われた記念行事に公明党市議団(向山宗子団長)が参加した。
「街の光が幻想的で、本当にきれい。来て良かった」。稲佐山山頂展望台で夜景を眺めていた観光客が感動を語る。長崎市は、周辺の山々が長崎港を取り囲む「すり鉢状」の地形で、市街地の約7割が斜面地という"坂の街"。日が暮れると街全体が無数の明かりで立体的に光り輝き、展望台からは"1000万ドルの夜景"と称されるパノラマが広がる。
市はこれまで、減少傾向にあった観光客の増加をめざし、夜景観光に力を入れてきた。稲佐山山頂展望台を改修したほか、展望台と麓を結ぶ「長崎ロープウェイ」の駅舎内をバリアフリー化した。
イベントの充実も推進してきた。毎年、旧暦の正月に開催される「長崎ランタンフェスティバル」は、延べ100万人を超える観光客が訪れる同市の一大イベント。昨年から、長崎商工会議所青年部を中心とする「長崎夜景プロモーション実行委員会」が、市と連携し、平和を願うイルミネーションを開催している。
官民一体の取り組みが功を奏するように、2012年、夜景観光の普及・啓発活動を展開する一般社団法人「夜景観光コンベンション・ビューロー」が、「夜景鑑定士」3500人のアンケートを基に長崎の夜景を香港、モナコと並ぶ「世界新三大夜景」に認定した。これに伴って観光客も増加。年間約30万人程度だった稲佐山山頂展望台の利用者は、12年度には約49万人に。さらに昨年度は約53万人が訪れた。近年では、クルーズ船で大勢の外国人観光客が訪れており、中国から来たという夫婦は「長崎の夜景は格別。また来たい」と語っていた。
世界新三大夜景の認定を受け、行政による夜景を生かした地域活性化の取り組みも勢いづいている。13年、県と市が連携して「長崎の夜景の在り方に関する検討会」が発足。16年に「環長崎港夜間景観向上基本計画」が策定された。
さらに今年度、国の「景観まちづくり刷新支援事業」のモデル地区に認定された。同事業は、地域固有の景観資源を保全、活用するための整備費用の半分を国が補助。市は今後、事業を活用し、平和公園や出島、長崎駅などのライトアップや、周辺道路への間接照明設置を進める予定だ。
夜景を生かしたまちづくりは、党市議団が議会質問などを通じて一貫して推進。現在、林広文議員が、市議会環境経済委員長として、夜景観光の発展に尽力している。